【福井の行政書士が解説】遺言書がない場合の相続手続きと注意点
親や配偶者が亡くなったあと、「遺言書が見つからない」「誰がどの財産を相続するのか分からない」と悩まれる方は少なくありません。遺言書がない場合でも相続手続きは進められますが、相続人全員で話し合い、遺産の分け方を決める必要があります。
この記事では、福井県内で相続手続きを検討されている方に向けて、遺言書がない場合の相続の流れ、遺産分割協議の注意点、行政書士に相談するメリットを分かりやすく解説します。
遺言書がない場合の相続はどうなるのか
遺言書がある場合は、原則としてその内容に従って相続手続きを進めます。一方、遺言書がない場合は、民法で定められた相続のルールに従い、相続人全員で遺産分割協議を行って財産の分け方を決めることになります。
ここで重要なのは、「法定相続分どおりに必ず分けなければならない」というわけではない点です。相続人全員が合意すれば、特定の相続人が不動産を取得し、別の相続人が預貯金を取得するなど、事情に応じた分け方が可能です。
法定相続人とは
法定相続人とは、法律上、相続する権利を持つ人のことです。配偶者は常に相続人となり、子、親、兄弟姉妹などが一定の順位に従って相続人になります。たとえば、亡くなった方に配偶者と子どもがいる場合は、配偶者と子どもが相続人になります。
相続人を正確に確認するためには、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集める必要があります。福井市、坂井市、越前市、鯖江市、敦賀市など、複数の市町村に本籍地が移っている場合、戸籍収集に時間がかかることもあります。
遺言書がない場合の相続手続きの流れ
1. 遺言書の有無を確認する
まずは本当に遺言書がないか確認します。自宅の金庫、仏壇、机、貸金庫などを探すほか、公正証書遺言が作成されている可能性がある場合は、公証役場で検索できる場合があります。
2. 相続人を調査する
遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。そのため、誰が相続人なのかを戸籍で確定させます。前婚の子、認知した子、養子、代襲相続人などがいる場合、想定していた相続人と異なることもあります。
3. 相続財産を調査する
次に、相続財産を調査します。預貯金、不動産、株式、自動車、生命保険、借入金、未払い金などを確認します。相続はプラスの財産だけでなく、借金などのマイナス財産も対象になるため注意が必要です。
福井県では、実家や田畑、山林などの不動産が相続財産に含まれるケースも多くあります。不動産がある場合は、固定資産税納税通知書、名寄帳、登記事項証明書などを確認しましょう。
4. 遺産分割協議を行う
相続人と財産が確定したら、相続人全員で遺産分割協議を行います。協議では、「誰が」「どの財産を」「どの割合で」取得するのかを決めます。相続人の一人でも参加していない協議は、原則として有効な遺産分割協議とはいえません。
5. 遺産分割協議書を作成する
話し合いがまとまったら、内容を遺産分割協議書にまとめます。遺産分割協議書は、預貯金の解約、不動産の相続登記、自動車の名義変更などで必要になることがあります。口約束だけで済ませると、後から「言った・言わない」のトラブルになるおそれがあります。
福井で相続トラブルが起こりやすいケース
不動産が主な遺産である場合
相続財産の大部分が自宅や土地で、預貯金が少ない場合、相続人同士で公平に分けることが難しくなります。たとえば、長男が実家を相続する代わりに、他の相続人へ代償金を支払う方法もありますが、金額や支払い方法で意見が分かれることがあります。
相続人同士の関係が疎遠な場合
県外に住んでいる兄弟姉妹、長年連絡を取っていない親族、再婚家庭の相続などでは、話し合いが進みにくいことがあります。福井に住んでいる相続人だけで手続きを進めようとしても、相続人全員の同意がなければ預貯金や不動産の手続きが止まってしまうことがあります。
介護や生前贈与をめぐる不満がある場合
「親の介護をしていたのは自分だけ」「兄弟の一人だけが生前に援助を受けていた」といった事情があると、法定相続分だけでは納得できないケースがあります。感情的な対立が大きくなる前に、財産内容や経緯を整理し、冷静に話し合うことが大切です。
遺産分割協議で注意すべきポイント
相続人全員の合意が必要
遺産分割協議は、相続人全員の合意によって成立します。一部の相続人だけで決めた内容では、金融機関や法務局で手続きが認められない可能性があります。未成年者や認知症の相続人がいる場合は、特別代理人や成年後見制度の検討が必要になることもあります。
財産の記載は正確に行う
遺産分割協議書には、不動産の所在、地番、家屋番号、預貯金の金融機関名、支店名、口座番号などを正確に記載します。記載内容に誤りがあると、名義変更手続きが進まないことがあります。
相続登記の義務化にも注意
不動産を相続した場合、相続登記にも注意が必要です。相続登記は2024年4月1日から義務化されており、相続で不動産を取得したことを知った日から一定期間内に申請する必要があります。正当な理由なく申請を怠ると過料の対象になる場合があります。
また、2024年4月1日より前に発生した相続であっても、義務化の対象になる場合があります。古い相続の名義変更を放置している場合も、早めに確認することが大切です。
相続税や相続放棄の期限にも注意
相続手続きでは、遺産分割協議だけでなく期限にも注意が必要です。相続税の申告が必要な場合、申告と納税は、原則として被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。
また、借金が多い場合などは相続放棄を検討することがあります。相続放棄には期限があるため、財産調査を後回しにしていると判断が遅れるおそれがあります。借入金、保証債務、滞納税金などが見つかった場合は、早めに専門家へ相談しましょう。
行政書士に相談するメリット
行政書士は、相続人調査、戸籍収集、相続関係説明図の作成、財産目録の作成、遺産分割協議書の作成など、相続手続きに必要な書類作成をサポートできます。
相続手続きでは、戸籍、住民票、固定資産関係書類、金融機関の書類など、多くの書類が必要になります。平日に市役所や金融機関へ行く時間が取れない方、何から始めればよいか分からない方にとって、行政書士へ相談することで手続きの負担を軽減できます。
ただし、相続人間で争いがある場合の代理交渉は弁護士、不動産登記の申請代理は司法書士、相続税申告は税理士の専門分野です。行政書士に相談することで、必要に応じて他士業と連携しながら手続きを進めやすくなります。
福井で相続手続きを進める方へ
福井県内では、実家、農地、山林、空き家などが相続財産に含まれるケースもあります。相続登記をしないまま放置すると、次の世代で相続人が増え、話し合いがさらに難しくなることがあります。
特に、県内のみならず、県外などにも不動産がある場合は、早めに財産内容を確認し、相続人全員で協議を進めることが大切です。
まとめ
遺言書がない場合でも、相続手続きは進められます。ただし、相続人を確定し、相続財産を調査し、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。
遺産分割協議書を正確に作成しておくことで、預貯金の解約、不動産の名義変更、各種財産の承継手続きが進めやすくなります。一方で、相続人の一部が協議に参加していない、財産の記載が不正確、期限を把握していないといった場合、手続きが長期化するおそれがあります。
福井で遺言書のない相続にお困りの方は、早めに行政書士へ相談し、必要書類や手続きの流れを整理することをおすすめします。
福井の相続手続きは行政書士へご相談ください
当事務所では、福井県内の相続手続きに関するご相談を承っております。戸籍収集、相続人調査、財産目録作成、遺産分割協議書作成など、相続手続きに必要な書類作成をサポートいたします。
「遺言書が見つからない」「相続人が複数いて話し合いの進め方が分からない」「福井の実家や土地の相続手続きで困っている」という方は、お気軽にご相談ください。
