自動車 封印研修に参加してきました

 きょうは、自動車 封印業務研修に参加して参りました。自動車の後部ナンバープレートに付けられたアルミ製のキャップ状のものを封印とよんでいます。この封印は自動車登録手続きが完了した証とされ、不用意にナンバーを取り外したり、車両盗難などを防ぐ役割があるとされています。なお、軽自動車にはこの封印制度の適用はありません。この封印の法令上の位置づけについては、道路運送車両法に定められています。

道路運送車両法

(この法律の目的)

第1条 この法律は、道路運送車両に関し、所有権についての公証等を行い、並びに安全性の確保及び公害の防止その他の環境の保全並びに整備についての技術の向上を図り、併せて自動車の整備事業の健全な発達に資することにより、公共の福祉を増進することを目的とする。

道路運送車両法 第1条 抜粋

(自動車登録番号標の封印等)

第11条 自動車の所有者は、前条の規定により自動車登録番号の通知を受けたときは、当該番号を記載した自動車登録番号標を国土交通大臣又は第25条の自動車登録番号標交付代行者から交付を受け、国土交通省令で定めるところによりこれを当該自動車に取り付けた上、国土交通大臣(政令で定める離島にあつては、国土交通大臣又は政令で定める市町村の長。以下この条(次項第3号及び第3項を除く。)において同じ。)又は第28条の3第1項の規定による委託を受けた者(以下この条において「封印取付受託者」という。)の行う封印の取付けを受けなければならない。

 前項の規定は、次に掲げる場合について準用する。この場合において必要となる自動車登録番号標又は封印の取り外しは、国土交通大臣又は封印取付受託者が行うものとする。

 自動車登録番号標が滅失し、毀損し、又は第39条第2項の規定に基づく国土交通省令で定める様式に適合しなくなつたとき。

 自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別が困難となつたとき。

 次項の規定により国土交通大臣が自動車登録番号標の交換を認めたとき。

 国土交通大臣は、自動車の所有者から当該自動車に係る自動車登録番号標の交換の申請があつたときは、これを認めるものとする。

 自動車の所有者は、当該自動車に係る自動車登録番号標に取り付けられた封印が滅失し、又は毀損したとき(次項ただし書の国土交通省令で定めるやむを得ない事由に該当して取り外したときを除く。)は、国土交通大臣又は封印取付受託者の行う封印の取付けを受けなければならない。

 何人も、国土交通大臣若しくは封印取付受託者が取付けをした封印又はこれらの者が封印の取付けをした自動車登録番号標は、これを取り外してはならない。ただし、整備のため特に必要があるときその他の国土交通省令で定めるやむを得ない事由に該当するときは、この限りでない。

 前項ただし書の場合において、当該自動車の所有者は、同項ただし書の国土交通省令で定めるやむを得ない事由に該当しなくなつたときは、封印のみを取り外した場合にあつては国土交通大臣又は封印取付受託者の行う封印の取付けを受け、封印の取付けをした自動車登録番号標を取り外した場合にあつては国土交通省令で定めるところにより当該自動車登録番号標を当該自動車に取り付けた上で国土交通大臣又は封印取付受託者の行う封印の取付けを受けなければならない。

道路運送車両法 第11条 抜粋

(封印の取付けの委託)

第28条の3 国土交通大臣は、登録自動車に取り付けた自動車登録番号標への封印の取付けを国土交通省令で定める要件を備える者に委託することができる

 第26条第1項、第28条第1項及び前条第1項の規定は、前項の規定による封印の取付けの委託を受けた者について準用する。この場合において、これらの規定中「自動車登録番号標交付代行者」とあるのは「第28条の3第1項の規定による封印の取付けの委託を受けた者」と、「の規定」とあるのは「、第3項及び第5項の規定」と、「自動車登録番号標」とあるのは「封印」と、「交付」とあるのは「取付け」と読み替えるものとする。

道路運送車両法 第28条の3 抜粋

 封印は、本来国が行うものですが、同条28条の3(上記 条文参照)において国土交通省令で定める要件を備える者に委託することができると規定し、委託の種別に応じ、甲種(ナンバープレート交付代行者)、乙種(型式指定の新車販売業者等:各ディーラーへ委託)、丁種(各都道府県行政書士会:団体へ委託)、丙種(各都道府県中古自動車販売協会等:団体へ委託)の4種に区分されています。

今日の研修は、上記の委託の種別のうち、丁種の業務研修ということになります。封印は、法令に定められた厳格なものになるため、その業務にあたっては慎重かつ正確なものでなくてはなりません。講習を通して、他の業務と同様に最大の緊張感をもって対応する必要があると強く思いました。今日の講義のご準備にあたられた福井会役員の方々や講師先生に改めて感謝申し上げたいと存じます。

ところで、この封印制度、ネットの情報では日本の他、韓国や中国のなど一部の国が導入しているということになっているようですが、その唯一の導入国のひとつである韓国においては、ナンバープレート封印制度の廃止が昨年決まり、今年施行されるとの記事が掲載されていることが確認できます。このように、この封印の分野においても国内外において賛否両論あるようですが、日本の治安がよく外国人観光客が安心して旅を楽しめるのも、このような日本の厳格さゆえに保たれているというのも否定できない事実ともいえます。今後は簡素化・合理化の流れを受けどのように変遷していくのか、その動向に注視しつつ制度の安定的な運用に少しでも貢献していきたいと考えています。

行政書士中川まさあき事務所