就労系在留資格の契約の相手方の位置づけ

 入管法 別表第一の2の表における就労系の在留資格には、契約の相手方が指定されているものと、特に指定されていないものがあります。さらに、相手方が指定されている場合は、「本邦の公私の機関」、「法務大臣が指定する本邦の公私の機関」、「本邦の学校・・・・」などに分かれます。また、特定活動のうち就労系の在留資格に関しては、個々に指定することが原則となっています。この場合にも、前述の区分に沿って指定されています。

【法別表第一の2】の契約の相手方の例

在留資格契約の相手方の指定の有無
高度専門職法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて・・
本邦の公私の機関との契約に基づいて・・
経営・管理
法律・会計業務
医療
研究本邦の公私の機関との契約に基づいて・・・
教育本邦の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校又は各種学校若しくは設備及び編成に関してこれに準ずる教育機関において・・・
技術・人文知識・国際業務本邦の公私の機関との契約に基づいて・・・
企業内転勤本邦に本店、支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事務所の職員が、本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行う・・・
介護本邦の公私の機関との契約に基づいて・・・
興行
技能本邦の公私の機関との契約に基づいて・・・
特定技能法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて・・・

【特定活動の契約の相手方の例】

在留資格契約の相手方
特定活動9号、12号本邦の公私の機関との間の契約に基づき・・・
特定活動33号、36号、37号本邦の公私の機関との契約に基づいて・・
特定活動46号法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて・・・
特定活動50号本邦の公私の機関との契約に基づいて・・

 なぜ、このように契約の相手方の位置づけを意識する必要があるのかといえば、転勤、転職が許容されるかどうかという点と、在留資格変更申請の必要性についてが問題になるからです。例えば、契約の相手先の指定として法務大臣が指定する本邦の公私の機関A社で在留資格を得て活動している場合においては、法務大臣が指定する本邦の公私の機関B社へ転職する場合には、原則として在留資格の変更許可申請が必要ということになります。これに対して、技術人文知識国際業務の在留資格で、本邦の公私の機関X社から、本邦の公私の機関Y社へ転職する場合には、原則として転職後14日以内に所属機関の変更届(但し、活動内容が同じの場合に限る。)を入管へ提出することになります。尚、この「本邦の公私の機関」とは、個人事業所、法人事業所は問わないとされています。逆に、同じような技術人文知識国際業務に該当するように見える活動であっても、事業所に属することなく、不特定多数の個人顧客、法人顧客を相手に個別にサービスを展開して報酬を得るような活動は、経営・管理に関する在留資格に該当すると考えられ、違法認定されることにもつながりますので誤った解釈にならないよう注意が必要です。 それくらい、「本邦の公私の機関との契約に基づいて・・」、「法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて・・」という解釈は重要ということになります。

 活動内容が変わる場合などは必然的に在留資格の変更申請が必要になると考えられますが、活動内容が同じでも、就業先所在地が変わる場合、会社が変わる場合(転勤・合併・転職)、所属部署が変わる場合、宿舎が変更となる場合などに対し、届出のみで事足りるのか、それとも、在留資格の変更申請が必要なのか、特に何も必要ないのか、などに関する疑問が生じることも多いかと思います。このような場合には、あらかじめ入管への問い合わせをして対応する方が何より安全といえます。

行政書士中川まさあき事務所