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技能実習制度の職種と、特定技能、育成就労の分野との関係

技能実習制度の職種と、特定技能、育成就労の分野との関係

技能実習制度の職種と、特定技能、育成就労の分野との関係が分かりにくいという声を多く聞くことがあります。

技能実習制度、特定技能制度、そして新設される育成就労制度の三者の関係は、「国際貢献のための育成」から「国内の人手不足解消のための育成と確保」へと目的がシフトし、キャリアパスが一本化されるという流れで整理できます。

公的機関が公表している資料に基づき、それぞれの関係を詳しく説明します。

1. 各制度の目的と位置付け

技能実習制度: 技能移転を通じた開発途上国への**「国際協力(人づくり)」**を目的としています。

特定技能制度: 国内の人材確保が困難な特定産業分野において、一定の専門性・技能を有し**「即戦力となる外国人」**を受け入れる制度です。

 特定産業分野とは、国内で人材を確保するのが困難であり、外国人による人材確保を図るべき産業分野のことで、日本標準産業分類(総務省)などの一般的な統計分類とは別の制度的区分であり、主に特定技能制度の運用文脈で説明される概念です。

育成就労制度: 技能実習制度を発展的に解消して創設され、特定技能1号水準の技能を有する人材を**「育成」し、「確保」すること**を目的としています。

2. 「職種・作業」から「産業分野・業務区分」への移行

これまで技能実習制度で使われていた分類と、特定技能・育成就労で使われる分類は、下位区分から上位区分へと整理されています。

技能実習の分類: 細かな**「職種」(91職種)と「作業」**(168作業)単位で管理されています。

特定技能・育成就労の分類: より包括的な**「特定産業分野(16分野)」と、その中の「業務区分」**単位で設定されています。

3. 技能実習2号から特定技能1号への接続(現行)

現行制度では、技能実習2号を「良好に修了」した外国人は、修得した技能と特定技能の業務との間に**「関連性」**が認められる場合、技能試験と日本語試験が免除されて特定技能1号へ移行できます。

• このように、技能実習の各「職種・作業」が、特定技能のどの「分野・業務区分」に対応するかは、入管庁の対応表によって細かく規定されています。

4. 育成就労制度による一本化(新制度)

新設される育成就労制度では、最初から特定技能1号への移行を前提として設計されています。

分野の完全一致: 育成就労で受け入れる「育成就労産業分野」は、将来的に特定技能1号へ移行することを前提として、特定技能の分野に合わせて設定されます。

育成ステップ: 3年間の育成就労期間中に、特定技能1号に必要な技能(技能検定3級等)と日本語能力(A2相当)を修得させ、スムーズに特定技能へステップアップできる仕組みになります。

主たる技能の整理: これまでの技能実習の「職種・作業」は、育成就労における**「主たる技能」**として整理・統合され、実績が引き継がれます。

5. 関係のまとめ表

項目技能実習(現行制度)育成就労(新制度)特定技能1号
主な目的国際貢献(技能移転)人材育成・人材確保人材確保(即戦力)
分類単位職種・作業分野・業務区分分野・業務区分
在留期間最長5年(1〜3号合計)原則3年通算5年
日本語要件原則なし(介護等除く)A1相当以上A2相当以上(N4等)

このように、これまでの細かな「技能実習職種」は、特定技能へとつながる「育成就労産業分野」の一部として再編され、外国人が日本で働きながらスキルを高めて長期在留できる、連続性のある仕組みへと変わります。

※本記事は制度の概要と背景を一般的に解説したものです。具体的な在留資格の取得・変更は、最新の公表情報と個別事情に基づいて確認してください。

特定行政書士 中川正明

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