黒字なのにお金がない会社の共通点|社長が気づいていない資金繰りの落とし穴(北陸・福井|特定行政書士が解説)
黒字なのにお金がない会社の共通点|社長が気づいていない資金繰りの落とし穴(北陸・福井)
「決算書は黒字なのに、なぜか口座残高が増えない」「支払い日が近づくと毎月ヒヤヒヤする」――このようなご相談は、北陸・福井県内の中小企業様からも珍しくありません。 実は、利益(損益)と現金(資金繰り)は一致しない場面が多く、黒字でも資金が枯渇することがあります。 本記事では、社長が見落としがちな資金繰りの落とし穴と、今日から取り組める改善策を、特定行政書士としての実務視点も交えながら整理します。
なぜ「黒字なのにお金がない」現象が起こるのか
黒字=安心、と考えがちですが、損益計算書(P/L)の黒字は「一定期間の儲け」を示すに過ぎません。 一方、資金繰りは「いつ、いくら入って、いつ、いくら出ていくか」というタイミングの問題です。 たとえば売上が立っても、入金が2か月後なら当面の現金は増えません。逆に、税金・社会保険料・借入返済・仕入れ支払いは待ってくれません。 このズレが積み重なると、帳簿上は黒字でも資金不足に陥ります。
北陸・福井県内の企業様で見られやすい資金繰りの落とし穴
ここでいう「福井の事例」という言い方ではなく、福井県内の企業様で見られやすい傾向としてお読みください。 業種や取引構造によって事情は異なりますが、特に次のような場面で資金が細りやすくなります。
売上が伸びたのに資金が苦しくなる(売掛金の増加)
受注が増えた、取引先が増えた、単価が上がった。これ自体は喜ばしいことです。 しかし、売上増は同時に売掛金の増加を招きます。つまり、回収前の「未入金」が膨らむということです。 さらに入金サイトが60日・90日になると、材料費・外注費・人件費の支払いを先に負担する期間が長くなり、運転資金が一気に圧迫されます。 「売上が増えているのに手元資金が減る」最も典型的なパターンです。
補助金・設備投資のタイミングで資金ショートする
設備更新や省力化投資は、競争力を高める一方で、資金繰り上の注意点があります。 とくに補助金は「採択=入金」ではなく、多くの場合支出が先で入金は後です。 立替資金やつなぎ資金を想定しないまま投資を進めると、工事代金や機械代金の支払い時点で資金が枯渇する恐れがあります。 許認可や契約・申請手続きと同様に、投資計画でも「いつ支払うか」「いつ入金されるか」を事前に線で結ぶことが重要です。
黒字倒産を招く5つの共通点
① 売掛金の回収管理が弱い(入金遅れを放置)
「取引先に言いづらい」「担当が忙しい」といった理由で、入金確認が後回しになると、遅延が常態化します。 月末に一括確認ではなく、週次で入金予定と実績を照合し、差異があれば即連絡する運用が効果的です。 取引基本契約や請求条件の整備も、回収の強い味方になります。
② 在庫や仕掛品が増えすぎている(現金が倉庫に眠る)
在庫は将来の売上の種ですが、同時に現金が形を変えたものです。 回転が落ちた在庫が増えるほど、利益が出ていても現金が戻りません。 「適正在庫の定義」「死に筋の早期処分」「仕入れの分割化」など、キャッシュに戻す仕組みが必要です。
③ 借入返済が利益以上に重い(P/Lに出ない支出)
借入返済のうち元本返済は、損益計算書には費用として表れません。 そのため黒字でも、返済が大きいと現金が減り続けます。 金利だけでなく、年間返済額と手元資金のバランスを確認し、必要に応じて返済条件の見直しや借換えを検討します。
④ 税金・社会保険料の支払いを“資金繰り”として見ていない
法人税等は黒字の証でもありますが、納税はキャッシュアウトです。 さらに社会保険料は毎月発生し、滞納すると信用不安にもつながります。 決算対策と同時に、納税・保険料の支払月を資金繰り表に固定で入れるだけでも、資金ショートの予防になります。
⑤ 資金繰り表がなく、将来の不足に気づけない
資金繰りは「足りなくなってから」動くと選択肢が狭まります。 目安として、最低でも3か月先、できれば6か月先までの資金繰り表を作り、早めに不足の山谷を把握しましょう。 月次試算表(P/L)とセットで運用できると、経営判断の精度が上がります。
特定行政書士が解説:今日からできる資金繰り改善策
資金繰り表は「入出金の予定」を先に埋める
資金繰り表は、難しいテンプレートから始める必要はありません。 まずは(1)前月繰越、(2)入金予定(売掛回収など)、(3)支払予定(人件費、仕入、家賃、税金、返済等)を並べ、 「いつ不足するか」を見える化します。重要なのは、実績との差(ズレ)を毎月修正し、予測精度を高めることです。
回収条件・契約条件を整え、入金を早める
取引条件の見直しは、資金繰り改善に直結します。 具体的には、請求締日と支払日の再交渉、分割請求、前受金の設定、遅延時のルール明確化などが候補です。 書面化(契約書・発注書・請書)を整えることで、回収交渉の根拠が強まり、トラブル予防にもつながります。
資金調達は“足りなくなる前”に検討する
融資は、資金が尽きてからでは通りにくくなる傾向があります。 資金繰り表で不足が見えた時点で、金融機関への相談、制度融資や保証の活用、日本政策金融公庫などの選択肢を検討しましょう。 補助金を絡める場合も、立替期間の資金需要を織り込んだ計画が欠かせません。 手続きの段取り(必要書類、スケジュール、説明資料づくり)を前倒しするだけでも、資金調達の成功確率は上がります。
福井県内の経営者向け:資金繰りチェックリスト
- 売上と入金タイミング(入金サイト)を、取引先ごとに把握している
- 入金予定と実績を週次で照合し、遅れがあればすぐ連絡している
- 在庫・仕掛品の回転日数を定期的に確認している
- 年間返済額(元本+利息)と手元資金の余力を見ている
- 税金・社会保険料の支払月を資金繰り表に固定で入れている
- 3〜6か月先の資金繰り表を作り、毎月アップデートしている
- 投資・補助金の「支出が先、入金が後」を前提に計画している
まとめ:黒字でも資金が尽きる会社は、仕組みで改善できる
黒字なのにお金がない原因は、社長の努力不足ではなく、利益と現金のズレを管理する仕組みが未整備であることが多いです。 売掛金の回収、在庫の適正化、返済負担の見直し、税金・社会保険料の織り込み、資金繰り表の運用。 これらを一つずつ整えることで、資金ショートのリスクは現実的に下げられます。 北陸・福井で堅実に事業を続けるためにも、「儲け」だけでなく「資金の流れ」を毎月点検していきましょう。
北陸・福井対応:特定行政書士に相談するメリット
資金繰りの改善は、数字の話だけでなく、契約条件の整備、補助金・許認可の段取り、提出書類の精度など、実務面の詰めが成果を左右します。 特定行政書士は、許認可・契約書・各種申請の支援を通じて、経営の「手続き負担」と「リスク」を軽くし、意思決定を前に進めるお手伝いができます。 「黒字なのに資金が不安」「投資や補助金を進めたいが、資金繰りが心配」と感じた段階で、早めにご相談ください。 (土日祝日、平日夜間限定)
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の資金調達・税務判断・法的判断は、状況により最適解が異なります。税務に関する具体的な方針は税理士にご相談ください。
