
日本に在留する外国人の方が永住を希望する場合は、永住許可に関するガイドライン(令和5年12月1日改正)に沿ってその可否が審査されることになります。その概要を見ていきましょう。あてはまるからといっても必ず許可されることを保証しているものでもなく、裁量により判断される点にも留意したいところです。
法律上の要件
1)素行が善良であること。
2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。
3)その永住が日本国の利益に合すると認められること。
ア)原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していること。
イ)罰金刑や懲役刑を受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法施行規則別表2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
エ)公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。
※日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又はその子である場合には、(1)及び(2)に適合することを要しない。また、難民認定又は補完的保護対象者の認定を受けている者の場合には(2)に該当することを要しない。
特例(原則10年在留に関する特例)
前に記載の法律上の要件は原則規定になりますが、例外規定として以下のような規定が設けられています。前述の通り原則は10年以上在留していることが求められますが、下記の場合は例外的に認められることになります。
(1)日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上本邦に在留していること。
(2)「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していること。
(3)難民の認定又は補完的保護対象者の認定を受けた者の場合、認定後5年以上継続して本邦に在留していること。
(4)外交、社会、経済、文化等の分野において我が国への貢献があると認められる者で、5年以上本邦に在留していること。
(5)地域再生法第5条16項に基づき認定された地域再生計画において明示された同計画の区域内に所在する公私の機関において、出入国管理及び難民認定法第7条1項2号の規定に基づき同法別表1の5の表の下欄に掲げる活動を定める件36号又は37号のいずれかに該当する活動を行い、当該活動によって我が国のへの貢献があると認められる者の場合、3年以上継続して本邦に在留していること。
(6)出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令(以下「高度専門職省令」という。)に規定するポイント計算を行った場合に70点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの
ア)「高度人材外国人」として必要な点数を維持して3年以上継続して本邦に在留していること。
イ)永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められ、3年以上継続して70点以上の点数を有し本邦に在留していること。
(7)高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの
ア)「高度人材外国人」として必要な点数を維持して1年以上継続して本邦に在留していること。
イ)永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していることが認められ、1年以上継続して80点以上の点数を有し本邦に在留していること。
(8)特別高度人材の基準を定める省令(以下、「特別高度人材省令」という。)に規定する基準に該当する者であって、次のいずれかに該当するもの
ア)「特別高度人材」として1年以上継続して本邦に在留していること。
イ)1年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から1年前の時点を基準として特別高度人材省令に規定する基準に該当することが認められること。
※注① 本ガイドラインについては、当面、在留資格「3年」を有する場合は、前記1(3)(ウ)の「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱うものとする。
※注② 前記2(6)アの「高度人材外国人」とは、ポイント計算の結果70点以上の転するを有すると認められて在留する者が該当し、前記2(7)アの「高度人材外国人」とは、ポイント計算の結果80点以上の点数を有すると認められて在留している者が該当し、前記2(8)アの「特別高度人材」とは、特別高度人材省令に規定する基準に該当すると認められて在留する者が該当する。
以上
同じ80点以上の点数を有する場合でも、高度人材外国人に該当する場合と、特別高度人材に該当する場合がある点に留意したいところです。