
日本に長中期在留する外国人の方の多くが、ことばの壁で悩むことが多いようです。もちろん、在留外国人の方の中にもN1、N2相当の日本語が堪能な方もいらっしゃいますがごく少数派です。ことばの壁があることで仕事がうまくいかなかったり、意思疎通がうまくとれないことで精神的なかべができてしまうこともあり、肝心の日常生活そのものがうまくいかずに悩むということになってしまうのかもしれません。外国人観光客に視点をあててみると、携帯アプリや翻訳アプリなどを駆使してコミュニケーションをとり、それなりに観光を楽しんでいる方もいらっしゃる中で、より簡単で、時差が少なく、手軽に実際の会話と表情が一体化して運用できるようなものが求められる時代になってきたといえます。それは、あらゆる店舗の窓口や担当者を巻き込んで、都市部から地方の観光地の隅々まで大きな流れができつつあるように感じます。
AIの進化をみてもそれらに対応するものも多く開発されているようで、コロナ禍を乗り越えた後のインバウンド観光客の急増を背景として、益々期待が寄せられているといえます。
おそらくここ数年も経たない内に、誰もが手軽に違う言語で会話できる共通のツールが一世を風靡する時代がくるかもしれません。
しかし、現在の翻訳・会話アプリ等も進化し続けている中であっても、やはり、直接人間(リアル)の通訳に頼るというのが、精神衛生上とても安心して目的を達成できると考える外国人の方が圧倒的多数のように見受けられます。
母国語を話し、理解し、聞いてくれることが何よりの心の支えになるということになります。同様の気持ちから日本語を理解し、話せるようになりたいと日々努力する方も多いのですが、一定レベルに達するには多くの時間やコストが必要になり必ずしも成果が出る保証もないのが現状です。
では、何がこれらの解決策となり得る可能性があるのかといえば、会話のほとんどは共通のツールで対応し、最初と最後の挨拶と笑顔だけそれぞれの母国語で語りあうことができればそれで十分という時代が来てほしいと思いますし、いずれは来ると思います。そうなれば、ことばの壁で悩むこともかなり軽減できると思います。もちろん、お互いの言語を理解し話せて使えるのがそれ以上に理想ですが。
1か国語しか話せない人をモノリンガルと呼び、4割くらい、2か国語を流暢に使える人をバイリンガルとよびこれも4割くらい、3か国語を流暢に使える人をトリリンガルと呼び1割くらい、その他に、それ以上を使えるマルチリンガルと呼ばれる人や、ポリーグロットと呼ばれる人も存在するようです。日本では英語を義務教育から勉強しますが、普通にネイティブな英語を理解し話しができる人の割合はどの程度存在するのでしょうか。年齢層にもよるでしょうが、日本はバイリンガルに該当する人の割合は体感的には2割以下のような気もしてきます。仕事で英語を使うのが日常の方でも流暢に英語を使いこなせるかというとそこまではという方も多いようで、そこをレベルアップするため最近では海外語学留学のツアーも盛況のようです。
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