福井県の特定行政書士が解説!検索窓と最新AIモードの違いとは
インターネット検索の「当たり前」が、ここ数年で大きく変わってきています。従来の「検索窓=キーワード検索」でリンク一覧が表示されるスタイルだけではなく、検索エンジン自体が AI を活用し、私たちの質問に対して“まとめた回答”を返してくれる――そんな新しい形が一般化しつつあります。
一方で、「AIチャットサービス」を使って質問する人も増えていますが、ここで押さえておきたいのは、「検索手段には複数のタイプがあり、それぞれ得意・不得意がある」ということです。本記事では、**従来型検索エンジン**、**AI活用検索エンジン**、**AIチャットサービス**の3タイプを整理し、それぞれをどのように使い分けるのが賢明かを、行政書士の視点も交えて解説します。
また、別の視点では、プロンプトを入れることで様々な提案をしてくれるチャットGPTなどの生成AIを、通常の検索窓と同様にサイト探しの使い方にとどまっているケースも多く見受けられたり、通常の検索エンジンの検索窓に結構な長文のプロンプトを入れるようなケースもあるため、この際、「検索するために検索窓に文字を入力すること。」と、「生成AIの入力窓に、文字入力すること。(プロント入れ)」の違いも同時に理解いただく機会になれば幸いに存じます。
検索手段の3タイプ ― それぞれ何が違うか?
■ 従来型検索エンジン (キーワード検索)
このタイプは、私たちが長年慣れ親しんできた検索方法です。例としては、Google (通常モード)、Microsoft Bing、Yahoo! JAPAN 検索 (通常モード) などが挙げられます。
使い方はシンプル――検索窓にキーワードを入力 → 検索エンジンが Web 全体をクロール・インデックス → 検索結果として関連ページのリンク一覧が表示される、という流れです。ユーザーはそのリンクをクリックして、必要な情報を探します。
この方法の強みは、**多様な情報源へのアクセス**、**公式サイトや原典の確認**、**リアルタイム性のあるニュースや統計情報への対応**などです。複数ページを自分で比較・検証できるため、情報の正確性を重視したい場面には最適です。
■ AI活用検索エンジン (AIモード付き検索 / Generative Search)
こちらが、最近急速に普及してきた「新しい検索手段」です。代表例としては、Google が提供する Google AI Mode / “AI Overview”、Bing の Bing Copilot Search、さらには Perplexity AI のような純粋な AI 検索サービスがあります。
このタイプでは、検索窓に自然な日本語で質問を入力するだけで、AI が Web 上の複数ソースを解析し、「要約された回答文+出典リンク (場合によって画像・動画つき)」を返してくれます。さらに、その回答に対して追質問もでき、対話形式で深掘りが可能です。
たとえば、「副業を始めたいが、時間が限られていてスキル不要の仕事は?」のような複合的な問いでも、AIが条件を考慮していくつかの選択肢と理由を示してくれます。これは従来のキーワード検索では難しかったことです。
■ AIチャットサービス (LLM チャットボット)
そしてもうひとつ、「検索エンジンを介さずに」質問し、答えをもらう手段があります。ChatGPT や Google Gemini などがこれに該当します。
これらは主に過去に学習した情報 (大規模言語モデル) に基づいて回答するため、必ずしも最新のニュースや Web 情報に対応しているわけではありません。むしろ、**アイデア出し**、**文章や構成の生成**、**概念や背景の理解**、**雑談や相談**など、柔軟かつ創造的な用途に向いています。
検索手段ごとの違い ― 特性を比較
| タイプ | 代表的なサービス | 検索方法 | 結果の形式 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 従来型検索エンジン | Google(通常検索) Bing(通常モード) Yahoo! JAPAN検索 | キーワード検索 → リンク一覧 | リンクと抜粋文(スニペット)の一覧 | 公式情報の確認/ニュース/統計情報/比較検討 | 多数のページを自分で確認・整理する必要があり、時間がかかることもある |
| AI活用検索エンジン(AIモード) | Google AI Overview(旧 Search Generative Experience) Bing Copilot(AI検索モード) Perplexity AI Jency(旧Jenna) Genspark | 自然言語で質問 → AIがWeb情報を要約し提示 | AI生成の回答文+出典リンク+画像/動画等 | 複雑な疑問の整理/概要の時短把握/複数情報の統合 | 出典の確認が必要/回答の正確性や網羅性には限界もある |
| AIチャットサービス(LLMチャット) | ChatGPT(OpenAI) Google Gemini(旧Bard) Microsoft Copilot(チャット機能) Claude(Anthropic) | 自然言語で対話形式の質問 | 会話形式の文章回答(Web参照しない場合あり) | アイデア出し/文章作成/概念理解/簡易相談 例:プロント入れ・・「次の3点の問題点を解決する方法を具体的に5つ教えて。①前期に比べ売上が10%低下した、②客単価は前期に比べ2000円から2200円に上がったが、客数は30%減少した。③固定費が前期と比べ10%上がった。 」 | 最新情報の欠如/情報ソースが不明瞭な場合がある |
なぜ今「AI検索エンジン」が脚光を浴びるのか
情報量が膨大になった現代において、「リンクをいくつも開いて情報を探す」という従来型のやり方は、時間も労力もかかり、効率が悪くなっています。その反面、AI検索エンジンは以下のような特性で、私たちの検索行動を変えています:
- 自然言語で質問すればよく、キーワード選定の手間が省ける。
- 複数の Web サイトを横断して、要点を整理・統合してくれる。
- 必要なら画像・動画・表などを含めて提示してくれる。
- 追質問や別角度の問いかけができ、対話的に深掘りできる。
このような理由から、最近は多くの主要検索エンジンが「AIモード」を導入し、私たちにとって検索の第一歩が「リンク探し」から「質問 → 回答」へと変わりつつあります。
どのように使い分けるか ― 目的別の判断基準
情報収集の目的や必要な信頼性、時間に応じて、3つの手段を使い分けましょう。
- 公式情報・最新ニュース・統計データなど、正確性・鮮度が重要なとき: 従来型検索 または AI検索エンジンでリンク先を確認。
- 複数条件の問い、背景や理由を含む質問、概要を短時間で把握したいとき: AI検索エンジンが最適。
- アイデア出し、文章構成、概念理解、ざっくりとした相談や思考の整理をしたいとき: AIチャットサービス を活用。
- 重大な判断(契約、法律、行政手続きなど)をする場合: AIの結果は参考にとどめ、必ず原典または専門家に確認。
AI時代の検索と法務の視点 ― 特定行政書士だから言えること
私たち行政書士が扱うのは、法律や行政手続き、許認可、契約書など、“正確性が求められる情報”です。こうした場面では、AIが提示する情報はあくまで「参考・補助」に過ぎません。
たとえば、法律の条文解釈、許可申請の要件確認、契約書の条項チェックなどは、AI検索で概要をつかむのは有用ですが、**必ず公式資料や法令集、あるいは専門家 (行政書士・弁護士) のチェックを併用**することが安全で確実です。
特に、許認可申請や行政関連手続きでミスがあると、時間・費用・信用の損失につながる可能性があります。AIを“万能”と捉えず、「補助ツールのひとつ」として使い分ける姿勢が重要です。
まとめ:検索手段を理解し、目的に応じて使い分けよう
新しい検索の形が登場してから、私たちの情報収集スタイルは大きく変わりました。しかし、どの手段にもメリットと限界があります。
重要なのは、「目的・状況に応じて最適な検索手段を選ぶこと」。従来型、AI検索、AIチャット――それぞれを使い分けることで、情報収集の効率も安全性も高まります。
特に、法律・行政のように正確性が求められる内容に関しては、AI検索だけに頼らず、必ず出典確認や専門家への相談を行ってください。情報の“質”と“信頼性”を守ることが、これからのインターネット時代ではますます大切です。
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行政書士中川まさあき事務所(福井県越前市)
