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本人が真面目だからこそ、安定させるために見直したい点

本人が真面目だからこそ、安定させるために見直したい点

本人が真面目だからこそ、安定させるために見直したい点

本人が真面目だからこそ、安定させるために見直したい点

「真面目ですね」「誠実ですね」
これは、一見すると最大級の褒め言葉です。実際、真面目さや誠実さがあるからこそ、信頼を得てきた人は多いでしょう。

しかし同時に、私はこれまで数多くの経営者や専門職の方を見てきて、ある共通点に気づいています。
真面目な人ほど、人生や仕事が不安定になりやすい局面を抱えているという事実です。

これは決して皮肉ではありません。むしろ、真面目だからこそ起こる「構造的な問題」があるのです。

この記事では、「真面目さ」を否定するのではなく、
真面目な人が、より安定して生きていくために見直しておきたいポイントを、丁寧に整理していきます。

1.「全部きちんとやろう」としていないか

真面目な人ほど、「中途半端」が嫌いです。
自分が引き受けたことは、最後まできちんとやりたい。
頼まれたことは、期待以上で返したい。

その姿勢自体は、本当に素晴らしいものです。
ただし問題は、すべてを同じ熱量・同じ完成度でやろうとすることです。

現実には、人生も仕事も「100点満点でやる必要のないこと」が大半です。
それにもかかわらず、真面目な人は無意識のうちに、

  • 重要度の低いことにも時間をかけすぎる
  • 完璧を目指して着手が遅れる
  • 疲弊しても「手を抜く」選択ができない

という状態に陥りがちです。

安定させるために必要なのは、
「頑張ること」ではなく「力の配分を決めること」です。

・ここは60点で十分
・ここは人に任せてもいい
・ここは自分が全力を注ぐ

この線引きを意識的に行うだけで、驚くほど心と時間に余白が生まれます。

2.「断ること=悪いこと」になっていないか

真面目で誠実な人ほど、人からの依頼や期待を断ることに強い罪悪感を持ちます。

・期待に応えなければならない
・頼られた以上、応じるのが筋
・断ったら信頼を失うのではないか

こうした思いが重なり、気づけば自分のキャパシティを超えて抱え込んでしまう。

しかし、長い目で見るとこれは逆効果です。
無理を重ねた結果、

  • 本来注ぐべき仕事の質が下がる
  • 心身が疲弊する
  • 最終的に継続できなくなる

というリスクを高めてしまいます。

安定とは、「すべてを引き受けること」ではありません。
続けられる形を選び続けることです。

断ることは冷たさではなく、
自分と相手の双方を守るための「誠実な判断」である場合も多いのです。

3.「正しさ」で自分を追い込んでいないか

真面目な人は、「正しさ」を大切にします。
曲がったことが嫌いで、筋が通らないことに強い違和感を覚える。

これは信頼を築く上で大きな強みです。
ただし、その正しさが自分自身にだけ厳しく向けられていないかは、見直す価値があります。

・もっとできたはずだ
・この程度で満足してはいけない
・失敗するのは努力が足りないからだ

こうした内なる声が強くなりすぎると、自己肯定感は静かに削られていきます。

安定している人の多くは、
自分に対して「適度に甘い」という共通点を持っています。

できなかったことより、できたことを見る。
足りない点より、積み上げてきた歴史を見る。

それは怠けではなく、長く走り続けるための知恵です。

4.「我慢すれば何とかなる」が前提になっていないか

真面目な人は、我慢強い。
多少の不満や違和感があっても、「自分が耐えればいい」と考えがちです。

しかし我慢は、問題を解決しているわけではありません。
単に「先送り」しているだけです。

やがて限界が来たとき、
・突然の燃え尽き
・大きな方向転換
・人間関係の断絶

といった形で噴き出すことも少なくありません。

安定させるためには、
小さな違和感のうちに立ち止まり、調整することが何より重要です。

無理をしない仕組みを作る。
正直な気持ちを言葉にする。
助けを求める。

これらは弱さではなく、成熟の証です。

5.真面目さは「使い方」で武器にも足かせにもなる

真面目であること自体は、疑いようのない強みです。
信頼され、任され、最後までやり切る力がある。

ただし、それを無自覚に使い続けると、
自分自身を縛る鎖にもなり得ます。

安定とは、「頑張り続けること」ではありません。
自分の特性を理解し、無理のない形に調整していくことです。

・全部やらなくていい
・完璧でなくていい
・弱音を吐いてもいい

そう自分に許可を出せたとき、
真面目さは初めて「持続可能な強さ」に変わります。

人生後半を、より穏やかに、より確実に積み上げていくために。
ぜひ一度、「真面目さの使い方」を見直してみてください。

それは、これまでの自分を否定することではなく、
これからの自分を守るための、大切な選択なのです。

特定行政書士 中川正明

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