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在留期間更新許可申請中の一時帰国!大丈夫?(中長期在留者の場合)

在留期間更新許可申請中の一時帰国!大丈夫?(中長期在留者の場合)

在留期間更新許可申請中の一時帰国!大丈夫?(中長期在留者の場合)

みなし再入国許可と再入国許可の違いを条文と実務から整理する

― 在留カードを所持していない場合の正しい考え方 ―

はじめに|更新手続き中の「一時帰国」はなぜ不安になるのか

在留期間更新許可申請を行った後に、
次のような相談を受けることがあります。

「在留カードの更新手続き中ですが、
急な事情で一時帰国しなければならなくなりました。
このまま出国しても問題ありませんか?」

在留期間更新許可申請中というのは、

  • 在留資格はまだ失われていない
  • しかし、手続が完了していない

という中間的な状態にあります。

そのため、

  • みなし再入国許可は使えるのか
  • 再入国許可が必要なのか
  • 在留カードが手元にないが大丈夫なのか

といった点で混乱が生じやすくなります。

本記事では、
在留期間更新許可申請中で、在留カードの現物を所持していない場合を想定し、
みなし再入国許可と再入国許可の違い、
そして実務上の正しい対応を整理します。

1.みなし再入国許可とは何か

(1)条文上の位置づけ

出入国管理及び難民認定法第26条の2第1項では、
いわゆる「みなし再入国許可」について次のように定めています。

有効な旅券及び在留カードを所持する中長期在留者が、
出国後1年以内に再入国する意図をもって出国する場合には、
原則として再入国許可を受けることを要しない

(2)重要な前提条件

この条文から分かるとおり、
みなし再入国許可が成立するためには、

  • 有効なパスポートを所持していること
  • 有効な在留カードを所持していること

が前提条件となっています。

したがって、
在留カードを所持していない状態では、みなし再入国許可の要件を満たしません。

2.在留期間更新許可申請中の在留カードの扱い

(1)更新申請をすると在留カードはどうなるのか

在留期間更新許可申請が受理されると、
旧在留カードは入管に提出され、審査期間中は手元にない状態となるのが一般的です。

更新が許可されると、

  • 旧カードは返納扱いとなり
  • 新しい在留カードが交付されます

このため、更新審査中は
在留カードの現物を所持していない状態で生活することになります。

3.出国時の実務|在留カードは提示が必要

一時帰国のために日本から出国する際、
中長期在留者は原則として、

  • パスポート
  • 在留カード

を提示します。

このため、在留カードを所持していない場合、
みなし再入国許可による出国手続は通常そのまま進みません。

通常、みなし再入国許可の扱いができないことから、再入国許可の手続きを経て出国することになります。

4.再入国許可とは何か

(1)条文上の根拠

出入国管理及び難民認定法第26条第1項では、
再入国許可について次のように規定されています。

再入国の許可)
第二十六条
法務大臣は、本邦に在留する外国人(仮上陸の許可を受けている者及び第十四条から第十八条までに規定する上陸の許可を受けている者を除く。)がその在留期間(在留期間の定めのない者にあつては、本邦に在留し得る期間)の満了の日以前に本邦に再び入国する意図をもつて出国しようとするときは、法務省令で定める手続により、その者の申請に基づき、再入国の許可を与えることができる。
(中略)
※この条文は、再入国許可制度の基本的な枠組みとして、日本を一時的に出国し、再び同じ在留資格・在留期間で入国するためには、出国前に法務大臣の許可を得る必要があることを定めています。

入管法第26条 抜粋

(2)制度の特徴

再入国許可は、

  • 出国前に入管で申請する
  • 有効期間・回数が明確
  • 行政処分としての「許可」を受ける

という点で、みなし再入国許可とは性質が異なります。

(みなし再入国許可)
第二十六条の二
本邦に在留資格をもつて在留する外国人(第十九条の三第一号及び第二号に掲げる者を除く。)で有効な旅券(第六十一条の二の十二第一項に規定する難民旅行証明書を除く。)を所持するもの(中長期在留者にあつては在留カードを所持するものに限る。)が、法務省令で定めるところにより、入国審査官に対し、再び入国する意図を表明して出国するときは、前条第一項の規定にかかわらず、同項の再入国の許可を受けたものとみなす。
ただし、出入国の公正な管理のため再入国の許可を要する者として法務省令で定めるものに該当する者については、この限りでない。
**2 **前項の規定により外国人が受けたものとみなされる再入国の許可の有効期間は、前条第三項の規定にかかわらず、**出国の日から一年(在留期間の満了の日が出国の日から一年を経過する日前に到来する場合には、在留期間の満了までの期間)**とする。
**3 **第一項の規定により外国人が受けたものとみなされる再入国の許可については、前条第五項の規定は、適用しない。

入管法第26条の2 抜粋

5.更新申請中に一時帰国が必要な場合の基本的な考え方

在留期間更新許可申請中で、
在留カードを所持していない状態で一時帰国が必要になった場合は、

事前に再入国許可を受けてから出国する

これが、最も安全で確実な対応です。

6.再入国許可申請時に「更新手続き中」であることをどう示すか

(1)パスポートにスタンプがある場合

窓口でパスポートを提示して更新申請を行った場合は、

  • パスポートに
    「在留期間更新許可申請中」であることを示す
    スタンプやシール

が押されることがあります。

この場合は、それが更新申請中であることの重要な資料になります。

(2)パスポートにスタンプがない場合

一方で、

  • オンライン申請
  • 申請時にパスポートを持参していない場合
  • 代理人による申請

などでは、
事前にパスポートへスタンプを押してもらうことはできません。

この場合でも、更新申請は適法に受理され、審査は進行しています。

再入国許可申請時には、

  • パスポート
  • 在留期間更新許可申請の受付番号が確認できる資料
    (受付完了メール、申請画面の写し等)

を提示し、

  • 更新申請が係属中であること
  • 在留カードは更新手続きのため提出済みであること

を説明します。

入管では、内部システムで申請状況を確認できるため、
スタンプの有無のみで判断されるわけではありません。

7.在留カードのコピーは代用できるのか

在留期間更新許可申請中は、
在留カードの現物が手元にないため、

旧在留カードのコピーで代用できないか

と考える方もいます。

(1)法的な位置づけ

在留カードのコピーは、
在留カード原本の代替としては認められていません。

コピーがあるからといって、

  • 在留カードを所持している
  • みなし再入国許可が使える

ということにはなりません。

(2)実務上の位置づけ

もっとも、旧在留カードのコピーは、

  • これまでの在留資格・在留期間の説明
  • 再入国許可申請時の補足資料
  • 空港や入管での事情説明

といった場面で、
補助資料として役立つことはあります。

ただし、あくまで補助的な資料であり、
原本の代わりになるものではない点には注意が必要です。

8.まとめ|更新申請中の出国は「事前確認」が重要

在留期間更新許可申請中に一時帰国を検討する場合は、

  • みなし再入国許可は「在留カード所持」が前提
  • 更新申請中は在留カードの現物を所持していない
  • その場合は再入国許可を事前に取得するのが安全
  • スタンプがなくても、受付資料で説明は可能
  • 在留カードのコピーは補助資料にとどまる

これらを押さえておくことが重要です。

不安な場合は、
出国前に出入国在留管理庁や専門家へ確認することで、多くのトラブルは未然に防ぐことができます。

在留資格は、日本での生活の基盤です。「念のため」の確認が、安心につながります。

※本記事は一般的な制度・実務の説明を目的としたものであり、個別事案については必ず専門家へご相談ください。

特定行政書士 中川正明

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