【行政書士が詳しく解説】パスポート申請は自分でできる?オンライン申請との違い、必要書類、費用まで分かりやすくご紹介します
海外旅行、海外出張、留学、ワーキングホリデーなど、海外へ渡航する際に欠かせないのがパスポート(旅券)です。
しかし、いざ申請しようとすると、「何を準備すればよいのだろう」「オンライン申請は利用できるのだろうか」「写真はスマートフォンで撮影しても大丈夫なのだろうか」など、多くの疑問を持たれる方が少なくありません。
以前は、旅券窓口へ出向いて申請することが一般的でしたが、制度改正により、マイナンバーカードを利用したオンライン申請も利用できるようになりました。
そのため、「行政書士へ依頼する必要はないのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、ご自身で申請することは十分可能です。
一方で、必要書類の不足や写真の規格違反、申請区分の誤りなどにより、受付ができなかったり、再提出が必要になったりするケースも少なくありません。
この記事では、現在のパスポート申請制度をできるだけ分かりやすくご説明するとともに、ご自身で申請される場合のポイント、行政書士がお手伝いできる内容についてもご紹介いたします。
パスポートとは
パスポート(旅券)は、日本国政府が日本国民に対して発給する公文書です。
海外において、「この人は日本国民である」ことを証明するとともに、安全に渡航できるよう日本国政府が外国政府へ要請する役割を持っています。
海外旅行だけでなく、海外出張、留学、国際会議への参加など、海外へ渡航する際には原則として必要になります。
また、国によっては、入国時点でパスポートの残存有効期間が6か月以上必要とされる場合もあります。
海外旅行を計画する際には、航空券を予約する前に、まずパスポートの有効期限を確認することをおすすめします。
パスポートの申請方法と申請の種類
パスポートの手続きは、「どのように申請するか」と「どのような理由で申請するか」の二つに分けて考えると分かりやすくなります。
申請方法
現在、主な申請方法は次の二つです。
- 旅券窓口へ書類を提出する窓口申請
- マイナポータルを利用したオンライン申請
どちらを利用するかは、ご自身の状況や申請内容によって異なります。
申請の種類
申請する理由によって必要書類や手続きが変わります。
- 初めてパスポートを取得する新規申請
- 有効期限満了に伴う更新(切替申請)
- 氏名や本籍地が変更になった場合の申請
- 紛失・盗難に伴う再発給申請
- 査証欄が少なくなった場合の切替申請
どの申請に該当するかによって準備する書類が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
マイナポータルによるオンライン申請
現在では、マイナンバーカードを利用して、マイナポータルからオンライン申請ができるようになっています。
スマートフォンやパソコンを利用して申請できるため、仕事などで平日に時間が取れない方にとっては非常に便利な制度です。
また、スマートフォンで撮影した顔写真を利用できる場合があり、写真店や証明写真機を利用しなくても申請できるケースがあります。
写真代を節約できることは、オンライン申請の大きなメリットの一つといえるでしょう。
オンライン申請のメリット
- 自宅から手続きできる。
- 24時間申請できる。
- スマートフォンで顔写真を撮影できる場合がある。
- 写真代を抑えられる。
- 窓口へ行く回数を減らせる場合がある。
- 手数料が窓口申請より安くなる場合がある。
費用を抑えたい方や、平日に時間を確保しにくい方には、大変便利な制度となっています。
オンライン申請にも注意点があります
一方で、オンライン申請には注意点もあります。
- マイナンバーカードが必要です。
- 暗証番号を覚えている必要があります。
- NFC対応スマートフォンが必要になります。
- 写真の規格を自分で確認しなければなりません。
- 入力内容を誤ると修正が必要になる場合があります。
特に顔写真については、「スマートフォンで撮影できる=どのような写真でもよい」という意味ではありません。
背景が白色または淡色であること、顔の位置が基準を満たしていること、影がないこと、ピントが合っていることなど、旅券写真としての規格を満たしている必要があります。
規格に適合しない場合には、写真の再提出を求められることがあります。
窓口申請とオンライン申請、どちらがよいのでしょうか
どちらが優れているというものではありません。
スマートフォン操作に慣れている方や、ご自身で制度を調べながら手続きを進められる方は、オンライン申請が便利でしょう。
一方で、「自分ではできない」「忙しくて時間がない」「写真がこれでよいのか心配」「必要書類に漏れがないか確認したい」「初めてなので不安」という方は、窓口申請を選択し、事前に行政書士へ相談されることで安心して手続きを進めることができます。
行政書士がお手伝いできること
行政書士は、官公署へ提出する書類作成の専門家です。
パスポート申請そのものについては、旅券法に基づき本人が行うことが原則ですが、申請書類の作成支援や必要書類の確認、オンライン申請に関するご相談などについてサポートすることができます。
「自分で手続きしたいが、間違いがないかだけ確認してほしい」というご相談も歓迎しております。
ご自身でできる部分はご自身で行い、不安な部分だけ専門家を利用するという方法も、賢い選択の一つです。
パスポート申請に必要な書類
パスポートを申請する際には、申請の種類によって必要書類が異なります。
ここでは、一般的な新規申請や切替申請を例にご紹介します。
| 必要書類 | 内容 |
|---|---|
| 一般旅券発給申請書 | 旅券窓口またはオンライン申請で作成します。 |
| 戸籍謄本 | 新規申請や氏名・本籍地変更などの場合に必要となることがあります。 |
| 本人確認書類 | マイナンバーカードや運転免許証など。 |
| 顔写真 | 窓口申請では規格に適合した写真、オンライン申請では写真データを利用します。 |
| 現在お持ちのパスポート | 更新や切替申請の場合に必要です。 |
制度改正により、マイナポータルを利用したオンライン申請では、申請内容によって戸籍情報がシステム連携されるため、戸籍謄本の提出が不要となる場合があります。
ただし、すべてのケースで不要になるわけではありませんので、ご自身の申請内容を確認することが大切です。
パスポート写真で失敗しないために
パスポート写真は、最も差し戻しが多い項目の一つです。
最近ではスマートフォンで撮影した写真を利用できるようになりましたが、「スマートフォンで撮影したから大丈夫」というわけではありません。
旅券用写真には細かな規格が定められており、規格に適合しない写真は受付できません。
例えば、次のような写真は再提出を求められることがあります。
- 背景に家具やカーテンが写っている。
- 顔に影ができている。
- 逆光になっている。
- 顔が小さすぎる。
- ピントが合っていない。
- 加工アプリで修正している。
- カラーコンタクトや過度なフィルターを使用している。
- 帽子やサングラスを着用している。
スマートフォンで撮影する場合は、白や淡い色の壁を背景にし、自然光など明るい場所で正面から撮影すると比較的きれいに撮影できます。
「この写真で大丈夫だろうか」と不安な場合は、申請前に確認してもらうことをおすすめします。
申請から受領までの流れ
STEP1 渡航予定日を確認する
パスポートは即日発行されません。
旅行や出張の日程が決まったら、できるだけ早めに準備を始めましょう。
STEP2 申請方法を決める
窓口申請とオンライン申請のどちらがご自身に合っているかを確認します。
STEP3 必要書類を準備する
申請内容に応じて必要書類を揃えます。
STEP4 申請する
窓口申請の場合は旅券窓口へ、オンライン申請の場合はマイナポータルから手続きを行います。
STEP5 審査
提出された内容をもとに審査が行われます。
内容に不備がある場合には、補正や追加提出を求められることがあります。
STEP6 受領
交付日に旅券窓口で受け取ります。
受領は原則として本人が行います。(不安な場合は、同行サポートさせて頂くことも可能です。)
パスポート取得にかかる費用
パスポート取得には、公的手数料のほか、必要に応じて戸籍謄本や写真の費用などがかかります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 10年用パスポート | オンライン申請15,900円・窓口申請16,300円 |
| 5年用パスポート | オンライン申請10,900円・窓口申請11,300円 |
| 戸籍謄本 | 450円程度 |
| 写真代 | 0円〜2,000円程度 |
| 行政書士報酬(一般例) | 5,000円〜15,000円程度 |
オンライン申請でスマートフォン撮影の写真を利用できる場合は、写真代を抑えることも可能です。
また、行政書士報酬は事務所やサポート内容によって異なります。
よくあるご質問
Q オンライン申請と窓口申請はどちらがおすすめですか?
スマートフォンやマイナポータルの操作に慣れている方であれば、オンライン申請は便利です。一方で、不安がある場合は、事前に専門家へ相談することで安心して進められます。
Q スマートフォンで撮影した写真でも本当に大丈夫ですか?
旅券写真の規格を満たしていれば利用できる場合があります。ただし、規格に適合しない写真は再提出となる可能性があります。
Q 行政書士へ依頼すると本人が窓口へ行かなくてもよいのでしょうか?
いいえ。パスポートの受領は原則として本人が行います。また、申請についても本人確認などが必要となる場合があります。
Q 行政書士にはどこまで依頼できますか?
必要書類の確認、申請書作成支援、制度のご説明、オンライン申請に関するご相談など、安心して手続きを進められるようサポートいたします。
最後に
現在では、マイナポータルを利用したオンライン申請により、ご自身で比較的簡単にパスポートを申請できる環境が整いつつあります。
スマートフォンで写真を撮影し、費用を抑えながら手続きを進めることも可能になりました。
しかし、制度が便利になった一方で、「自分はオンライン申請の対象になるのだろうか」「写真はこのままで大丈夫だろうか」「必要書類に漏れはないだろうか」といった不安を感じる方が多いことも事実です。
行政書士は、そのような不安を解消し、お客様が安心して手続きを進められるようサポートする専門家です。
私は、「まずはご自身でできる方法をご案内し、それでも不安な部分だけ専門家としてお手伝いする」という姿勢を大切にしています。
ご自身で申請される場合も、専門家のサポートを受けながら進める場合も、大切なのは安心して海外への第一歩を踏み出すことです。
パスポート申請についてご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
【ご注意】
本記事は、投稿日現在の法令・制度・公表情報に基づいて作成しています。パスポート(旅券)の申請制度や手数料、必要書類、オンライン申請の対象範囲などは、法令改正や運用の変更により内容が変更される場合があります。実際に申請される際は、最新の情報を各都道府県の旅券窓口または外務省の公表情報でご確認ください。また、本記事は一般的な制度の概要をご案内するものであり、個別の事案について法的判断や手続きの可否を保証するものではありません。申請内容やご事情によって必要書類や手続きが異なる場合がありますので、ご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。
