在留期限・受入人数枠・人件費・採用計画を一元管理する「外国人材管理システム」

技能実習生や特定技能外国人を受け入れている企業では、在留期限、受入人数枠、一時帰国、有給休暇、人件費予算、採用計画など、多くの情報を同時に管理しなければなりません。
外国人材の人数が少ないうちは、Excelや紙の管理表でも対応できるかもしれません。しかし、在籍者が増え、在留資格や所属事業所が複数になると、情報が分散し、更新漏れや確認漏れが起こりやすくなります。
そこで開発したのが、外国人材に関する情報をまとめて管理できる「外国人材在留・予算・採用統合管理システム」です。
本記事では、このシステムで何ができるのか、どのような企業に向いているのか、導入によって何が変わるのかを、実務の視点からご紹介します。
外国人材管理が複雑になっている理由
外国人材の管理が難しい最大の理由は、在留資格ごとに在留期間、移行条件、必要な手続きが異なることです。
技能実習には1号・2号・3号があり、特定技能には1号・2号があります。さらに、2027年4月からは、技能実習制度に代わる育成就労制度が始まります。
企業によっては、技能実習生、特定技能外国人、今後の育成就労外国人が、同じ職場に在籍することになります。在留資格が異なれば、期限管理の考え方も、上位資格への移行方法も、受入れ人数の扱いも異なります。
例えば、特定技能1号では、現在の在留期限だけでなく、通算5年という上限も管理しなければなりません。技能実習2号から3号へ移行する場合には、一時帰国の予定も考える必要があります。
こうした情報を担当者の記憶や個別のExcelファイルだけに頼っていると、担当者の異動や退職をきっかけに、管理方法そのものが分からなくなることがあります。
外国人材管理で大切なのは、担当者の注意力を高めることではありません。誰が担当しても必要な情報を確認できるように、管理を仕組み化することです。
外国人材管理システムでできること
本システムは、在留期限だけを管理する名簿ソフトではありません。外国人材の在留情報、人員構成、休暇、予算、採用計画を、同じデータをもとにつなげて管理することを目的としています。
1.在留期限を一覧で管理し、期限接近を把握する
技能実習1号から3号、育成就労、特定技能1号・2号など、在留資格ごとの情報を登録できます。
在留期限が近づいている人を一覧で確認できるため、「監理団体や登録支援機関から連絡を受けて初めて気づいた」という事態を防ぎやすくなります。
帰国者や退職者は、現在の在籍者とは別のリストで管理できます。再入社や復職があった場合には、在籍者リストへ戻すこともできます。
2.本人の意思確認を記録する
在留期限が近づいたとき、単に更新手続きをするだけでは不十分です。
本人が帰国を希望しているのか、上位の在留資格へ移行したいのか、転職を考えているのかを、早めに確認する必要があります。
本システムでは、本人への意思確認の内容と進捗を記録できます。面談結果を口頭や手書きメモだけで終わらせず、履歴として残すことで、担当者が変わった場合にも経緯を確認できます。
本人の意思を把握することは、在留手続きだけでなく、今後の採用計画や人員計画を立てるうえでも重要です。
3.日本語能力・保有資格・服務記録を管理する
外国人材一人ひとりについて、日本語能力試験の水準や保有資格を登録できます。
また、遅刻、業務上の注意、服務違反などを履歴として記録できます。問題が起きたときだけ確認するのではなく、日頃の状況を継続的に記録することで、指導や面談の材料として活用できます。
ただし、服務記録は外国人材を一方的に評価するためのものではありません。事実を客観的に残し、本人との対話や改善支援につなげることが大切です。
4.一時帰国と有給休暇を計画的に管理する
技能実習2号から3号への移行では、一時帰国の予定を考える必要があります。直前になって一時帰国が必要だと分かれば、現場の人員配置に大きな影響が出ます。
本システムでは、一時帰国の予定を登録し、早い段階から現場と共有できます。
また、有給休暇についても、付与日数と取得日数を記録し、残日数を管理できます。毎日入力するのではなく、月末などの決まった時期に、その月の取得日数をまとめて入力する運用を想定しています。
長期の帰省を希望する外国人材も少なくありません。休暇を制限するのではなく、早めに予定を共有し、複数人の休暇が重ならないように調整することが、現実的な管理方法です。
5.職種・分野の対応状況を管理する
技能実習では職種・作業、特定技能では特定産業分野・業務区分という考え方が用いられます。
本システムには、技能実習の職種と特定技能の分野について、標準的なマスタを登録する機能があります。技能実習2号・3号や特定技能2号への対応状況を確認するための社内管理資料として利用できます。
ただし、職種や分野の対応可否は制度改正によって変わる可能性があります。システム上の表示だけで最終判断せず、実際の申請や受入れに際しては、必ず最新の公式情報を確認する必要があります。
6.事業所ごと、または法人全体で人員を把握する
工場、店舗、介護事業所など、複数の拠点で外国人材を受け入れている企業では、全社の人数だけでなく、どの事業所に何人在籍しているかを把握する必要があります。
本システムでは、事業所や部署を登録し、外国人材の所属先を管理できます。
常勤職員数や在籍者データをもとに、受入人数枠の目安を確認することもできます。外国人材数は、現在の在籍者データから集計されるため、複数の管理表へ同じ人数を何度も入力する必要がありません。
なお、常勤職員数への算入・除外の判断には、制度や分野ごとの確認が必要です。システムは計算を支援するものであり、法的な受入れ可否を保証するものではありません。
7.人件費予算と実績を比較する
外国人材管理は、在留資格の管理だけでは終わりません。
経営者や経理責任者にとっては、外国人材にかかる人件費が予算内に収まっているか、今後どの程度の費用が必要になるかも重要です。
本システムでは、部署別・年度別に人件費予算を登録し、在籍者情報から集計した実績と比較できます。
在留者名簿と予算表を別々に管理するのではなく、同じデータをもとに集計することで、数字の食い違いや転記ミスを減らせます。
8.採用計画の進捗を管理する
採用計画は、「何人不足しているか」だけで決めるものではありません。
現在の在籍者のうち、何人が上位資格へ移行するのか、何人が帰国するのか、何人が退職または転籍する見込みなのかを考慮する必要があります。
本システムでは、在留資格区分ごとに採用予定人数を登録し、採用の進捗を管理できます。
本人の意思確認、在留期限、受入人数枠、採用計画を別々に管理せず、関連する情報として確認できる点が大きな特徴です。
9.10年先の人員数と人件費を試算する
外国人材の受入れでは、1年先だけでなく、3年後、5年後を見据えた人員計画が必要です。
本システムでは、登録されている在留期限、本人の意思、採用計画、人件費などをもとに、今後10年間の人員数と人件費の推移を月単位でグラフ表示できます。
もちろん、将来推計は確定した未来ではありません。しかし、「このまま採用しなければ3年後に何人不足するか」「特定技能への移行が進んだ場合、人件費がどう変化するか」を考えるための材料になります。
専用ソフトのインストールは不要
本システムは、HTML形式のファイルをパソコンに保存し、ダブルクリックしてブラウザで開くだけで利用できます。
専用ソフトのインストールや、新たなサーバー契約は必要ありません。Google ChromeやMicrosoft Edgeなどの一般的なブラウザが動作する環境であれば、WindowsやmacOSなどで利用できます。
インターネット接続も必須ではありません。インターネットに接続していないパソコンでも利用できるため、外部サーバーに個人情報を保存することへ不安がある企業にも適しています。
入力データはパソコン内に保存される
入力したデータは、インターネット上のサーバーではなく、使用しているパソコンのブラウザ内に保存されます。
そのため、同じ会社であっても、別のパソコンから自動的にデータを見ることはできません。複数のパソコンで利用する場合は、バックアップデータを書き出し、別のパソコンで読み込む必要があります。
また、ブラウザの閲覧データやキャッシュを消去すると、保存したデータが失われる可能性があります。定期的にバックアップを書き出し、社内の安全な場所へ保存する運用が重要です。
自動的にクラウドへ保存されるシステムではないからこそ、外部送信を抑えられる一方、利用企業自身によるバックアップ管理が必要になります。
このシステムが向いている企業
本システムは、特に次のような企業に向いています。
- 技能実習生や特定技能外国人を複数名受け入れている
- 在留期限をExcelや紙で管理している
- 担当者以外は管理表の見方が分からない
- 本人の帰国・移行・転職の意向を記録できていない
- 技能実習3号への移行や一時帰国の予定を早めに把握したい
- 外国人材の有給休暇を計画的に管理したい
- 受入人数枠の残りをすぐに確認できない
- 人件費予算と採用計画が別々の資料で管理されている
- 外国人材の人数と人件費を中長期的に試算したい
- 高額なクラウド型システムを導入する前に、小さく管理を始めたい
特に、専任のIT担当者がいない中小企業や、外国人材管理を一人または少人数で担当している企業にとって、導入しやすい仕組みです。
このシステムの役割は「判断の代行」ではなく「見える化」
本システムは、在留資格申請や行政手続きを自動的に行うものではありません。また、表示された人数枠や職種・分野の判定が、法的な受入れ可否を保証するものでもありません。
制度は改正されることがあり、企業ごとに事情も異なります。実際の在留資格申請、移行可否、人数枠の判断については、出入国在留管理庁、外国人技能実習機構、監理団体、監理支援機関、登録支援機関、行政書士などへ確認する必要があります。
本システムの役割は、社内にある情報を整理し、期限や予定、人数、予算を見えるようにすることです。
情報が見えるようになれば、担当者は早めに関係者へ相談できます。経営者も、現場も、経理担当者も、同じ情報をもとに判断しやすくなります。
外国人材を安心して受け入れるために
外国人材の受入れで問題が起きる原因の多くは、悪意ではなく、確認漏れ、共有不足、担当者への依存です。
在留期限が迫ってから対応するのではなく、数か月前から本人の意思を確認する。一時帰国や長期休暇を早めに把握し、現場の人員配置を調整する。今後の帰国者数を予測し、採用計画や人件費予算へ反映する。
こうした管理を続けるためには、複雑なシステムよりも、日常業務の中で無理なく使える仕組みが必要です。
「外国人材在留・予算・採用統合管理システム」は、現場で実際に必要とされる機能を一つずつ積み上げ、在留期限管理から将来の人員計画までをつなげた管理ツールです。
まずは在留期限の一元管理から始め、次に意思確認、一時帰国、受入人数枠、予算、採用計画へと管理の範囲を広げていくことができます。
外国人材管理を担当者個人の記憶に頼る状態から、会社として管理できる状態へ変えていく。その第一歩として、本システムをご活用ください。
システムに関するお問い合わせ
本システムの導入にご興味をお持ちの企業様、監理団体様、登録支援機関様は、行政書士中川まさあき事務所のホームページにあるお問い合わせフォームよりご連絡ください。
なお、本システムは顧問契約締結先の方に向けに、無償での提供を基本としており、操作方法の個別サポートやカスタマイズ改修等には対応しておりません。導入前に、動作環境、保存方法、バックアップ方法、免責事項をご確認ください。
