福井県越前市で奮闘中の特定行政書士・申請取次行政書士です。各種許認可、相続、在留資格関連、会社経営、不動産のことでお悩みの方はお気軽にご相談ください。

北陸で進む行政手続きの電子化と現場の実情【行政書士が解説】

北陸で進む行政手続きの電子化と現場の実情【行政書士が解説】

行政手続きの電子化が加速する中での現場の声(北陸の実情を交えて)

近年、政府主導で「デジタル庁」の創設をはじめとする電子政府化が進められ、行政手続きの電子化が急速に広がっています。福井県を含む北陸地域でも、自治体や関係機関が次々に電子申請に対応し始めています。

一見便利に見えるこの流れですが、現場で日々申請業務に携わる行政書士の視点では、見えてくる課題も少なくありません。本記事では、特定行政書士・申請取次行政書士として福井を拠点に活動する立場から、電子化の実情と課題、そして今後の展望についてお伝えします。

北陸での行政手続き電子化の現状と特徴

北陸の自治体・入管・法務局などの電子対応状況

北陸地方の多くの自治体では、住民票や印鑑証明の取得申請、税務関連の手続きなどで電子申請システムが導入されています。さらに、出入国在留管理局(入管)では「在留資格変更許可申請」や「更新許可申請」などがオンラインで可能になり、法務局関連でも法人設立や役員変更などが電子化対応となっています。

電子申請に対応している主な行政手続き

現在、電子申請に対応している代表的な手続きには、以下のようなものがあります:

  • 在留資格変更・更新(出入国在留管理庁)
  • 建設業許可・更新手続き(各都道府県)
  • 法人設立登記(法務局)
  • 各種補助金・給付金申請(自治体・国)

特定行政書士・申請取次行政書士の実務における影響

これまで紙での提出が当たり前だった手続きが電子化されることで、行政書士としての業務も大きく変化しています。特に、書類作成だけでなく、電子署名やファイル形式、申請システムの操作支援など、技術的な知識が求められるようになりました。

電子申請のメリットと現場で感じる課題

メリット:時間短縮・ペーパーレス・24時間対応

電子申請の最大の利点は、物理的な移動が不要で、いつでもどこでも手続きが可能な点です。印刷や郵送の手間も省け、コスト削減にもつながります。また、ペーパーレス化による環境負荷の低減も期待されています。

課題1:システムの操作性と直感性の乏しさ

一方で、現場では「操作が直感的でない」「ログインや認証に手間がかかる」といった声が少なくありません。特に、申請経験が浅い利用者にとっては、システムの複雑さが障壁となりがちです。

課題2:添付書類の形式・容量制限などの技術的問題

添付ファイルの形式やサイズに制限があり、提出できるファイルが限られることもあります。また、PDFの結合やOCR処理など、技術的な処理が必要になる場面も増えています。

課題3:担当窓口の対応とリアルなコミュニケーション不足

電子申請は便利な反面、役所との対面でのやりとりが減少します。これにより、細かい確認や柔軟な相談がしにくくなるという声もあります。申請ミスの修正に時間がかかることもあり、現場では「直接窓口に行った方が早い」と感じる場面もあります。

電子化で生まれる行政書士の新しい役割

代理申請・電子署名のサポート役としての専門性

行政書士は、依頼者に代わって電子申請を行うことができます。また、電子署名の付与や事前準備のアドバイスも行うことで、スムーズな申請をサポートしています。

高齢者・ITが苦手な事業者支援へのニーズ拡大

特に高齢の経営者や中小企業では、電子申請に苦手意識を持つ方も多く、行政書士による支援の需要が高まっています。地域密着で顔が見える支援が安心感につながっています。

地域密着型サポートで「つなぐ役割」の重要性

北陸のような地方では、行政と住民・事業者の橋渡し役として行政書士が果たす役割がますます重要になっています。単なる書類作成だけでなく、信頼できる伴走者としての立場が求められています。

北陸での電子申請導入事例と対応の工夫

事例1:入管業務におけるオンライン申請の成功例

ある外国人留学生の在留資格変更手続きでは、電子申請を活用して迅速に処理を完了。書類不備のチェックから入管との確認まで、行政書士が伴走し、本人・企業双方の負担軽減につながるというケースもありります。

事例2:建設業許可更新手続きの電子化対応事例

○○市内の建設会社から依頼を受けた更新手続きでは、電子申請を利用してスムーズに許可取得。必要書類のデータ化やシステム操作をサポートし、対面不要で完了するケースもあります。

事例3:地方自治体での電子申請トラブルとその対処

ある自治体の電子申請システムで発生した障害により、申請が途中で停止。行政書士が代替案を提示し、紙申請へ切り替えて無事に対応。柔軟な判断とサポートが信頼につながったというケースもあるようです。

まとめと今後の展望(行政手続き電子化の行方)

行政手続きの電子化は、今後ますます進んでいく流れであることは間違いありません。利便性の向上だけでなく、制度としての完成度、ユーザビリティの改善も不可欠です。

その中で、行政書士は単なる申請代行者ではなく、利用者と行政をつなぐ「翻訳者」としての役割を果たすことが求められます。現場からの声を行政に届け、地域に合った電子申請の形を共に築いていくことが、私たちの使命です。

ご相談・お問い合わせは福井の行政書士まで(電子申請対応可能)

電子申請に不安がある方、初めての手続きでお困りの方は、ぜひ専門家にご相談ください。福井県内を中心に、対面・オンラインで対応可能です。

【お問い合わせ先】
行政書士中川まさあき事務所(福井県越前市)

この記事をシェアする

記事一覧へ戻る

関連記事 Relation Entry