
先日のブログで、英数字の暗証番号を入力することに関して、全角と半角の分かりづらさについて記述しましたが、今思えばなぜそんな当たり前の、何も気にならないところに視点がいったのか不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ウインドウズ95が1995年に発売開始となり空前のパソコンブームに沸いていた30年前、ちょうどその頃、出前パソコン教室の講師として公民館などへ出向き、文字入力のしかた、メールのしかたなど初歩的なパソコンの使い方について地元の皆さんに教える機会をいただいたことから、当時はどうしてごくごく簡単なことができないのかという単純な疑問と向き合う日々が続いた経験から、当時の習う側の年代の方と同じような年代になってしまった私ではありますが、わかりづらいポイントが今でも強く記憶に残っていたからだと思えてきました。
何といっても、パソコン初対面の方は、まず文字入力から練習しますが、そこで登場するのがタスクバーの中に鎮座する「IME ツールバー」と呼ばれる文字入力のカナメとなるしろものです。IMEツールバーで、ひらがな、全角カタカナ、全角英数字、半角カタカナ、半角英数字(直接入力)のそれぞれの入力していく文字を確認することになるのですが、その際、それぞれの文字を全角、半角などに切り替えて入力するその操作にまずつまづきます。どの方も、つまづきます。全角、半角、大文字、小文字その組み合わせがどうすることでうまくいくのか悩むのです。
キーボードでいえば、左端上から二番目の 【半角/全角キー】、左端下から二番目の【Shiftキー】、左端下から三番目の【Capslock 英数】と書いてあるキー、下段中央位に位置する【カタカナひらがなローマ字】と書いてあるキーなどの組み合わせにより入力する文字を選択していくことになるのですが、その組み合わせの選択で希望の文字を入力できるまで、何度も繰り返し間違うのです。パソコンに向かい真っ赤な顔で、んんんんん・・・・と一人ごとを言ってキーボードを強く押し続ける方や、マウスを持ち上げて下から覗き込む方、その挙句大きなため息を何度もつく方など、様々な奮闘が繰り広げられてきました。もちろん、キーボードのキー選択以外にも、IMEツールバーを直接クリックして選択していく方法やファンクションキーから選択する方法もありますが、ご自分のやり易いいずれかの方法で試すように促しますが、結局のところやり方を増やすとそれだけ迷いが生じますので、一つのやり方をまず覚えてもらうことからスタートすることにしていました。また、ややこしいことに、数字キーの上に鎮座する【NumLock】キーも曲者で、よく手をあげて「先生 入力できません。」といって呼び出しがかかったものです。このような精神状態になるのは、キーボードに初めて触れる方にとっては当たり前のことで、特に不器用だとかいうことではありません。自動車学校に入学したばかりの方が、初めて車を運転するのと同じ状態と考えれば分かりやすいですね。
そのような経験から、ひらがなは大文字が一般的で全角入力になるのに対し、カタカナは全角も半角もあり、英文字の大文字には全角も半角もあり、英文字の小文字は基本半角ということになり、数字は全角も半角も両方あり、アルファベットには大文字も小文字もあるけれど、ローマ字は一般的には大文字のアルファベットをいいますし、英数字といったときはアルファベットの大文字(ローマ字)とアルファベットの小文字、記号、数字のいずれも含むという基本的なことが分かりにくいのです。
これらを前提として、暗証番号を設定する際のルールとして「大文字英数字6~16桁:それぞれ1つ以上は必要」が指示された場合、初心者の方でもわかるよう踏み込んだ説明が必要かもしれませんね。
随分昔においては、親切に全ての文字を一覧にしてその中から選ぶという気の利いたものもあったように記憶しています。そこまでは経済的に無理にしても、少し工夫をすれば何とかなるようにも思います。