
日本に居住する方が、外国の機関等へ書類の提出を求められた際、アポスティーユも同時に求められることがあります。この際、公文書である場合には公証人が認証することは出来ないのが原則であるのに対し、私文書(私署証書)のアポスティーユ認証(提出国がハーグ条約加盟国の場合)を取得する場合には、外務省へアポスティーユ申請をする前に、公証人の認証手続きと地方法務局長の証明を取得する必要があります。
公文書である場合には公証人が認証することは出来ないのが原則ですが、日本公証人連合会のサイトによれば、「宣言書(Declaration)」を添付することで公証人が認証することが可能であることが記載されています。例えば、登記事項証明書(商業登記簿謄本)等を外国語に翻訳し、その翻訳した人が「自分は日本語と当該外国語に堪能であり、添付の公文書の記載内容を誠実に翻訳した。」旨を記載した「宣言書(Declaration)」を作成して署名し、この文書に登記事項証明書、外国翻訳文を添付する方法によれば、宣言書自体は公文書ではなく私署証書のため公証人が認証できるということになります。
また、これら外国語に翻訳された文書等を認証することを日本公証人連合会のサイトの説明では、「外国文認証」とよんでいます。
(外国文認証)
外国語で作成された私署証書、および外国語または日本語で作成され、外国において使用される私署証書に対する認証のこと。私署証書とは、私文書のうち、作成者の署名、署名押印または記名押印のある文書と定義しています。
提出先機関がどのような書類の提出を求めているか、また、どこまでもとめているかなどにより、あらかじめ公証人の認証手続きが必要なケースと不要なケースがあり、アポスティーユ申請手続きも大きくちがってくる点には留意が必要です。
参考のため、公証人の私署証書認証等の手数料は今日現在以下のように掲載されています。
私署証書認証 | 11,000円 |
その内容を公正証書にした場合の手数料の半額が1万1000円を下回るときは、その下回る額(手数料令34条1項)。 | |
金額の記載がないため算定不能となる書面の場合は、5500円 | |
委任状の認証(私署証書認証)3,500円 | |
外国文の認証(外国文加算) | 通常の私署証書認証手数料に6000円を加算した額 |
ちなみに、公証人の認証手続きの後に必要な地方法務局長の証明にかかる手数料は今のところ無料のようです。