
日本の気候変動対策と国際的な取り組み
国際的な温室効果ガス削減の枠組みは、1992年に気候変動枠組条約が採択され、その後、
- 1997年 京都議定書(先進国に削減義務)
- 2015年 パリ協定(すべての国が参加)
と進化し、国際的な協力体制が整えられました。
日本国内の温暖化対策の主要法令
日本における地球温暖化対策は、省エネ・再生可能エネルギーの導入・脱炭素化を軸に、以下の法律に基づいて進められています。
- エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)(1979年施行) 企業や工場のエネルギー使用を合理化し、温室効果ガス排出を抑制。
- トップランナー制度(1979年施行) 自動車や家電のエネルギー効率を業界全体で向上させる基準。
- 地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)(1999年施行) 温室効果ガス削減の枠組みを定める日本の基本法。
- 再生可能エネルギー特別措置法(2012年施行) 再生可能エネルギーの導入を促進するための法律。
- 建築物省エネ法(2016年施行) 建築物の省エネ基準適合を義務化し、エネルギー効率の向上を図る。
これらの法律は、SDGsの17の目標の内、「クリーンエネルギー」「気候変動対策」のふたつの目標とリンクしているとも考えられ、間接的・直接的に持続可能な社会づくりに貢献しているといえます。
最近の動向
日本は過去において、京都議定書の削減目標1990年比で温室効果ガス6%削減を達成(排出量+1.4%増、クリーン開発メカニズム・森林吸収分を加味して最終的に-8.4%の削減という結果)しましたが、さらに、次の目標に向かって進化し続けています。
日本は2050年カーボンニュートラルを目指し、2030年度までに温室効果ガスを2013年度比で46%削減する目標を掲げています。 また、「地域脱炭素ロードマップ」を策定し、脱炭素の取り組みを全国へ広げる「脱炭素ドミノ」を加速させるため、今後5年間を集中期間として強力な対策を推進しようとしています。
このように、日本は法律・政策の両面から、国際的な枠組みに沿った温暖化防止対策を積極的に進めているように感じます。このことは、それに伴い様々な補助金の活用が今後予定されているということにもなります。
因みに、「脱炭素」と「カーボンニュートラル」は似ていますが、厳密には異なる概念で、脱炭素は「排出ゼロ」を目指すのに対し、カーボンニュートラルは「排出と吸収のバランスを取る」ことが目的です。
- 脱炭素(Decarbonization) → CO₂の排出をゼロにする取り組み。化石燃料の使用削減、再生可能エネルギーへの転換。
- カーボンニュートラル(Carbon Neutrality) → 排出される温室効果ガスの量と吸収量を均衡させ、実質ゼロにする。森林吸収やCO₂回収・貯留技術(CCS)などの活用。