行政書士としての原点は、“人に育てられた経験”の積み重ねです。
― 福井県越前市で、多様な人との出会いに学びながら ―
行政書士として歩み始めた今、強く感じることがあります。 それは、私の人生は「現場の経験」そのものよりも、そこで出会った多くの人から教えられ、育てられてきた道のりだったということです。
信庫、テナント管理、工場、運転士、メディア経営企画、宅建業…。 振り返れば、どの職場でも私は人に助けられ、人に支えられ、人から学ばせていただいてきました。 自分が誰かを育ててきたのではなく、むしろ周囲の人たちが私を育ててくれたのだと、今は心から思います。
現場で出会った人たちが、私に“人を見る力”を教えてくれた
● 運転士の頃、乗客の方々から教わった「表情の奥を見る」感覚
高齢者や障がいを持つ方々と接する日々。 短い会話や小さな仕草から、不安や期待を感じ取る大切さを教えてくれたのは、まさに乗ってくださる皆さんでした。
私はただ運転していたのではありません。 むしろ、毎日のように「人の気持ちは言葉だけではわからない」と気づかされ、育てていただいたのです。
● 不動産・宅建業で出会ったお客様が教えてくれた「丁寧さの意味」
契約説明や権利関係の話は難しく、お客様が不安そうにされている場面も多々ありました。 そんな時、「あなたの説明は安心できる」と言っていただけたことが、丁寧に伝える姿勢を強く意識するきっかけとなりました。
丁寧さとは、自分のスタイルではなく、相手が理解できる形に整えることだと教わったのです。
● トラブル対応から教わった「正面から向き合う強さ」
テナント管理の仕事では、設備の不具合や入居者トラブルに直面することも多くありました。 その対応の中で、お叱りを受けることもありましたが、真摯に向き合う大切さを教えてくださったのは、現場で関わった方々でした。
「逃げずに向き合うことが、信頼につながる」 これは、現場の人たちが私に教えてくれた、大きな学びです。
メディア経営企画で学んだ、“人の可能性を信じる”ということ
10年間携わったメディアの経営企画では、 多様なスタッフや制作者、行政担当者の方々と接する中で、 私は人が持つ可能性の大きさを強く感じるようになりました。
人は、自分の役割を理解し、意味を実感できたときに、 驚くほど力を発揮する。
このことを教えてくれたのは、共に働いた仲間たちです。 私はただその変化をそばで見ていただけで、むしろ多くのことを学ばせてもらいました。
企画書づくり、プレゼン、仕組みづくり―― それらの技術を教えてくれたのも、人との関わりの中でした。 人から受け取った経験が、今の行政書士としての仕事の土台になっています。
育てられたからこそ、誰かの力になりたい
行政書士は「書類の専門家」であるだけでなく、 相談者に寄り添い、悩みに耳を傾け、共に進む存在でもあります。
私がその姿勢を大切にできるのは、 これまでの人生で、数えきれないほど多くの人に助けられ、育ててもらったからです。
人は人に育てられる――。 そう実感してきたからこそ、今度は私が、地域の方や相談者の方が前に進むための “小さな支え” になれればと願っています。
すべての経験は、誰かからの“贈り物”だった
これまで働いた数々の職場。 出会った多くの人たち。 教えてくれた厳しさや優しさ、言葉にならない学びの数々――。
そのすべてが、今の私を形づくる大切な人生からの贈り物です。
行政書士として歩むこれからも、 人から学ぶ姿勢を忘れず、謙虚さと感謝を胸に、 地域の方々と真摯に向き合っていきたいと思っています。
