
AIの進化が加速する現代では、「GPTは使えるか?」ではなく「どう使うか?」が重要な問いとなっています。行政書士としてもスタートした私は、多種多様な職種で培った経験を活かし、GPTの導入による業務効率化とサービス品質向上に挑戦しています。この記事では、不動産・金融・製造業や旅客運送業の現場・メディアでの経営企画業務・財務管理業務などの職務経験で得た視点から、GPT活用の具体事例とその可能性について紹介します。
現場経験から見える非効率の本質
さまざまな職場で直面した業務の“ムダ”は、GPT導入によって大きく改善可能です。
不動産管理では、契約書や入居者対応に膨大な時間が割かれ、文書修正や確認作業に追われることが多い
会計財務などの業務では、相談履歴や財務状況の確認が煩雑で、情報整理に手間取る
メディア経営企画業務では、地域ニーズ調査や資料作成が時間・労力ともに重い
これらの業務には、GPTが文書生成・要約・解釈といった形で介入でき、劇的な効率化が期待できます。
実践事例①:Accessデータベースとの連携による自動化
現在、私はMicrosoft AccessとGPTを連携させた顧客対応の自動化の勉強を始めたいと考えています。
Access上に顧客情報と対応履歴を入力
GPTが履歴内容に基づいて案内文や次のステップを提案
長文化した履歴は、GPTが要点を抽出し定型文へ再構成
この仕組みは、例えば外国人の在留資格申請業務にも応用可能です。複数条件を整理し、GPTが自然な説明文を生成することで、書類案内やサポート業務が格段に簡便になります。
実践事例②:行政文書のリライト・説明補助
行政書士の業務において、法令説明や制度解説は不可欠です。GPTは以下のような場面で力を発揮します:
条文や制度趣旨の理解を促す
専門用語を一般向けの言葉に翻訳
クライアント向けのわかりやすい文章を自動生成
例えば「相続人不存在時の手続き」など、誤解されやすいトピックについても、GPTは法的背景を踏まえた説明を支援します。これは金融や財務に携わった職種の延長線上にある経験値を持つ私ならではの視点といえます。
実践事例③:打ち合わせ準備・議事録整備
メディア業経験では、地域団体との打ち合わせが頻繁にありました。GPTは以下の業務にも有効です:
関係者メモの要約による議事録作成
会議内容の反論・提案を整理し、論点の洗い出し
情報の見落としや認識ズレの防止
これにより、会議準備や記録作業が効率化され、本質的な議論に集中できます。
効率化の先にある「本質的価値」
GPTによる業務支援は、単なる効率化を超えた価値を生み出します。書類作成や説明の手間を減らすことで、より創造的で付加価値の高い業務に時間を割くことが可能になります。行政書士などの“士業”においては、クライアントとの関係性の質を高める時間創出が、サービス全体の向上につながります。
また私の実感として、GPTは“専門知識の代替”ではなく、“専門性を持つ人の作業補助ツール”です。実務に通じた人がGPTを使うことで、業務の質と速度を同時に高めることができます。
課題と今後の展望
GPTには誤情報の可能性もあり、法令や個人情報に関する業務には慎重な検証が不可欠です。しかし今後、他のAIツールとの連携により、より安全かつ柔軟な業務支援が可能となるでしょう。
今後見込まれる機能例
書類の自動分類
顧客属性に応じた案内文のカスタマイズ生成
チャットによる定型相談の自動対応
これにより、行政業務のあり方そのものが変化する可能性があります。
「現場経験×AI」が開く未来
製造業での仕組みを理解し、運転手として社会を皮膚感覚で捉えるという現場感覚、不動産トラブルへの対応力、財務会計業務の数字力と分析力──私の多種多様な職種経験はGPT活用の現実的な視点で、かつ、広い視点から見てどこに着眼点をおくかを考え、何をどう変えどう対応すべきかを常に問いかけています。
行政書士中川まさあき事務所(福井県越前市)