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RESAS(リーサス)を活用して経営計画や地域活性化に強みを持つ:使い方・活用例・最新機能

RESAS(リーサス)を活用して経営計画や地域活性化に強みを持つ:使い方・活用例・最新機能

RESAS(リーサス)を活用して経営計画や地域活性化に強みを持つ

地方創生・地域ビジネス・中小企業支援の現場において、データを“なんとなく”見るのではなく、戦略的に活用することがますます重要になっています。そこで注目されるのが、国が提供するオープンデータ基盤——地域経済分析システム(RESAS/リーサス)です。経営計画の策定や地域支援施策の立案検証において、頼れる分析ツールとなります。

1.RESASとは何か?

RESASは、経済産業省と、内閣官房 まち・ひと・しごと創生本部事務局(及び関連政府部局)が提供する、地域経済・社会を可視化するデータプラットフォームです。

2015年4月(平成27年4月)から提供が開始され、自治体・地域企業・教育機関など幅広いユーザーが「人口・産業・観光・消費」など様々な角度から地域データを参照・分析できるようになっています。

特徴としては:

  • 登録不要・無料で利用可能。
  • 地図・グラフで地域の「見える化」が手軽にできる。
  • 地域政策(EBPM:エビデンスに基づく政策立案)や、地域企業の経営判断を支援するツールとして位置付けられている。

2.主なマップ機能とその活用シーン

RESASは「マップ(分析領域)」という形式で複数の切り口からデータを提供しています。活用用途に応じて選択することで、経営計画や地域施策の設計に生かせます。

  • 人口マップ:人口構成・増減・将来推計などが可視化。少子高齢化・人口流出傾向を把握し、経営・地域戦略の基盤に。
  • 産業構造マップ:地域の産業別従業者数・付加価値等を分析。地元産業の強み・弱みを把握し、経営計画の業種選定や差別化戦略に。
  • 地域経済循環マップ:地域内のお金の流れ(生産・分配・支出)を可視化。地域内循環を高めるための施策立案に活用可能。
  • 観光マップ:訪問者数・外国人来訪データ・宿泊動向など。観光・飲食・宿泊業、地域誘客施策を検討する際に有効。
  • 消費マップ/企業活動マップ/まちづくりマップ/医療・福祉マップ/地方財政マップ:その他、消費動向・都市機能・福祉ニーズ・自治体財政状況など多角的分析が可能。

たとえば、経営計画を作る際には、以下のような流れで使えます:

  1. 対象地域の「人口マップ」で、人口減少ペース・年齢構成を確認。
  2. 「産業構造マップ」で自社が属する業種の地域内での位置付けを把握。
  3. 「観光マップ」や「消費マップ」で来訪者数・消費動向がどう動いているかを把握。
  4. 得られたデータを基に、自社の強み・弱み、機会・脅威を整理し、施策に落とし込む。

3.2025年最新の機能・アップデート

最新の説明資料(2025年10月時点)によると、RESAS新システムでは以下の改善点が挙げられています。

  • スマートフォン対応や描画速度の向上により、より操作しやすくなった。
  • データの粒度が向上(例:産業分類、小分類レベルまで)し、細かな分析が可能に。
  • 官民データの統合・外部API連携の拡充により、より柔軟なデータ活用が可能になっている。

これにより、従来「データ分析に時間・労力がかかる」と感じていた企業・地域でも、より手軽にデータにアクセスし、実践に結びつけやすくなっています。

4.経営計画・地域支援における実務ポイント

経営支援・行政書士・地域コンサルタントの立場から活用する際、以下の点を押さえておくと効果的です。

  • 「数値を出すだけ」では終わらせず、「なぜこの数値になっているか」「どう動くべきか」を整理する。
  • 取得したデータの更新時期・出典を明記し、過去値・推計値の違いや限界を説明する。
  • 顧問先・地域企業・自治体に対して「この地域の現状・将来像」を可視化して提示し、一緒に施策を議論する伴走型支援を行う。
  • 分析結果を「行動計画(誰が/何を/いつまでに)」に落とし込むことで、実践(実行・検証)につながる。RESASは“計画策定”の起点として位置付けられます。

5.導入時の留意点

ただし、活用にあたって次のような留意点があります:

  • データの公表周期・更新頻度はマップ・項目により異なります。最新値ではない可能性もあります。
  • 民間データ(POS・人流データ等)はダウンロードや二次利用に制限がある場合があります。
  • RESASは“ツール”であって、結果の読み解き・施策化は支援者の解釈・現場理解が不可欠です。

6.まとめ

地域経済分析システム(RESAS)は、地方創生・地域活性化・中小企業支援・経営計画策定といった多様な場面で活用可能な、信頼性の高いデータプラットフォームです。無料で登録不要、スマートフォン対応という手軽さも魅力です。

経営計画策定時や地域支援の場面では、「まずRESASで数値を把握→現状分析→施策設計→実行・検証」という流れを組み込むことで、より説得力のある支援が可能になります。特に、データと“人との対話”を重視される支援者・専門家の方にとって、“数値+伴走型支援”を組み合わせたスタイルは、大きな差別化ポイントになるでしょう。

ぜひ、 公式サイト(RESAS) を開き、ご自身の地域・業界でどのようなデータがあるかを確認してみてください。次の一手をデータから描くことで、地域も事業も一歩先へ進めていきましょう。

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