株式会社と合同会社

株式会社と合同会社では、株主(出資者)と経営が分離されているか、分離されていないかの違いがまず大きいです。合同会社は、従来からある持分会社の合名会社と合資会社の加え、新たにすべての社員が有限社員であるという会社類型が創設されたものですが、よく、株式会社と合同会社が比較されることがあるようです。
しかし、株式会社でも、同族か、非同族かあるいは、公開会社か、非公開会社か、また、監査役設置会社かそうでないか、取締役会設置会社や監査役会設置会社であるかそうでないか、 加えて、指名委員会等設置会社かそうでないか、監査等委員会設置会社かそうでないか。など、株式会社の形態はさまざまです。中小企業の多くは、同族会社・非公開会社、少し色をつけても、取締役会・監査役設置会社というスタイルが多いようです。もっとも、ひとり会社の場合は、同族・非公開会社、取締役一人、取締役会非設置、監査役なしというのも珍しくはありません。最後に述べた株式会社のスタイルが、もっとも、合同会社に近いといえるかもしれません。つまり、必然的に出資者≒経営者という関係になるからです。では、中小企業の場合の信用度はどうでしょうか?
非同族>同族、公開>非公開、取締役会設置会社>非設置会社 というのが一般的かもしれませんので、巷においては、中小企業の信用力は、あくまでも一般論ですが、株式会社>合同会社と考えるのが妥当といっていいかもしれません。一人取締役の株式会社と一人出資の合同会社のどちらが銀行の信用を得やすいかと考えたらわかりやすいでしょう。
しかし、合同会社には、グーグルやアマゾンなどの大企業もあり、必ずしも、株式会社>合同会社はあてはまりません。
では、なぜ、中小企業が合同会社を設立するのでしょうか? その答えは、設立の手間と費用そしてランニングコストの問題です。銀行の信用より、手っ取り早く設立したい、ランニングコストを安くあげたいという場合には合同会社を設立するようです。中小企業が将来を見据えて考えるのなら、やはり、株式会社設立を勧める場合が多いようです。

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