宅建免許更新は、新規より簡単でしょうか?

宅建業免許更新の申請といっても、ほぼほぼ、新規申請と大差のない事務作業が必要といえるかもしれません。

様式第二号(第一条の二関係)

中でも、免許申請書の 様式第二号(第一条の二関係)
「宅地建物取引業経歴書」に記載する

2.事業の実績
イ)代理又は媒介の実績
ロ)売買・交換の実績

の件数、価額、手数料を 宅地・建物・宅地及び建物にそれぞれ区分記載していくことはとても厄介です。
これは、記帳会計を自計化していない会社では、手作業を余儀なくされ、
とても時間と労力がかかる難関項目と言えます。日頃から、これらを時系列的に管理していく意識付けが大事と言えます。また、宅建業法49条において、宅地建物取引業者は、事務所ごとに業務に関する帳簿(取引台帳)を備え、所定の事項を記載しなければならない旨を規定しており、取引台帳と会計元帳の整合性をとる必要があります。
ですから、日頃から、これらの数字をどこから把握して転記するか、どの様に管理していくかを考えて帳簿処理と取引台帳処理をしていくことが求められます。
また、免許更新を外部委託する場合でも、この数値を提示するときは、契約日及び決済日に留意しながら契約書等を検証・照合して慎重に記載する方法や、会計元帳の売上(仲介手数料)を基に代理、媒介、売買、交換に振り分けていき、かつ、資産台帳や土地、建物の元帳を基に、自己物件の方も同じく振り分けていくという作業過程が必要となります。そして、委託された方にしてみれば、この数値がどこから来た数字かを確認してから記載しないと不安ですからね。合ってるかどうか確認もせずに記載する訳にもいきませんし。
しかも、時系列的に、過去5年間分を記載していくことが求められます。

添付書類(8)

あと、注意したいのは、免許申請書の添付書類(8)「宅地建物取引業に従事する者の名簿」
に記載する業務に従事する者の一覧です。
従業員や宅建士の数や異動などに注意が必要です。また、直接宅建業には従事しないものの、経理事務員の数へのカウント、出向者、アルバイト、グループ企業間で助け合う場合などの人の交流、他企業兼任役員、使用人兼務役員などの取り扱いなど・・・・
協会提出の従業員名簿と従事者の数が一致するのが原則と考えられますから、従事する役員と従事しない役員、経理と事業を兼任する従業者など注意しながら、従業員証明書を必ず所持していることを確認しながら一致させる必要があると思われます。この際、宅建士でありながら、専任ではない場合、或いは、逆に宅建士や専属専任の宅建士でありながら、異動等で違う事業部門の仕事をすることになった等の場合は要注意です。名義貸しととらえられない様に対応の確認が必要です。応援で、臨時で業務に従事する方も、従業員証明書を発行するかという問題もあります。ガイドラインによれば、宅地建物取引業のみを営む宅建業者の場合と、他の業種を兼業している宅建業者の場合で、若干、解釈が違うようですが、専業業者の場合は、代表者、役員(非常勤の役員を除く)およびすべての従業員等が「従事者」に含まれるようです。また、受付、秘書、運転手等の業務に従事する者も「従事者」に含まれます。ですが、宅地建物の取引に直接的な関係が乏しい業務に臨時的に従事する者は「従事者」から除外されるようです。
兼業業者の場合は、代表者、宅地建物取引業を担当する役員(非常勤の役員および主として他の業種も担当し宅地建物取引業の業務の比重が小さい役員を除く)と、宅地建物取引業の業務に従事する者が「従事者」に含まれるようです。また、宅地建物取引業を主として営む宅地建物取引業者にあっては、全体を統括する一般管理部門の職員も「従事者」に含めることができる(含めなくてもよい)ようです。

消費者保護の関連から、「どちらの方ですか?」なんてことになるとだめなので、臨時であっても発行するのが適切なのかもしれませんね。

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