NPO法人(Non Profit Organization)とは、営利を目的としない団体で、ボランティア活動などの社会貢献活動を行う団体のことをいう。と定義されています。この団体は法律で認められた公益性が高い団体ということになりますが、同じく公益性が高いとして「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」により設立された公益社団法人や公益財団法人と同一視されがちですが、全く別の団体ということになります。「特定非営利活動促進法」がその根拠法令になります。参考のために(目的)条文を下記に示します。
◎特定非営利活動促進法
(目的)
第一条 この法律は、特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により、ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的とする。
特定非営利活動促進法より抜粋
NPO法人を設立する場合の、「概要」「手順」「注意点」をまとめると以下の通りです。
NPO法人の概要
設立に必要な人数 | 10名以上 |
役員 | 理事 3名以上 監事 1名以上 |
任期 | 理事 2年 監事 4年 |
役員の制限規定 | ・各役員について、配偶者若しくは3親等以内の親族が2名以上含まれないこと。 ・配偶者若しくは3親等以内の親族が役員総数の1/3を超えて含まれないこと。 |
設立までに要する期間 | 4~5か月 |
税制上の優遇 | 法人税=一定の収益事業についてのみ課税 法人住民税=一定の要件を満たすことで免除 |
監督庁への報告義務 | 定期報告義務あり |
設立費用 | 法定費用は不要。 但し、士業に依頼する場合の手数料等が別途必要。 |
NPO法人 設立手順
- 設立趣旨書
- 定款
- 役員名簿等
- 事業計画書
- 活動予算書
- 設立認証申請書
- 定款
- 役員名簿及び役員のうち報酬を受ける者の名簿
- 各役員の就任承諾書及び宣誓書
- 役員の住所又は居所を証する書面
- 社員のうち10名以上の者の名簿
- 確認書
- 設立趣旨書
- 設立について意思の決定を証する議事録
- 事業計画書(設立当初の事業年度及び翌事業年度)
- 活動予算書(設立当初の事業年度及び翌事業年度)
ホームページ等で掲載されるほか、担当部局事務所等で2週間縦覧に供される。
- 設立登記完了届出書
- 登記事項証明書
- 設立時の財産目録
NPO法人 設立時のチエック項目(注意点)
定款 | 法人名称は問題ないか(紛らわしい、その他制限ないかなど) |
不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的としているか。 | |
公益を目的としており、特定の個人又は団体の利益を目的としていないか。 | |
法人の目的に沿った特定非営利活動に係る事業の実施か。 | |
特定非営利活動に係る事業において、会員向け事業を実施しないか。 | |
その他の事業がある場合、その利益を特定非営利活動に充てる旨を規定しているか。 | |
社員となる会員を明確に規定しているか。 | |
会員の入会・退会に不当な条件を付していないか。 | |
2年以内の役員任期となっているか。 | |
理事3名以上、監事1名以上を満たしているか。 | |
役員任期の伸長規定を置く場合、役員は総会で選任することになっているか。 | |
定款の変更、解散、合併が総会の権能に含まれているか。 | |
総会の開催通知は5日以上前に通知する規定となっているか。 | |
残余財産の帰属先が法第11条第3項に掲げる法人、国、地方公共団体のいずれかになっているか。 | |
解散及び破産手続き開始に関する公告の方法として官報が入っているか。 | |
設立当初の役員を定めているか。 | |
役員名簿 | 定款で規定する役員定数と矛盾はないか。 |
3親等以内の親族が役員総数の1/3以下であり、かつ各役員について1名までとなっているか。 | |
報酬を受ける者が、役員総数の1/3以下となっているか。 | |
社員名簿 | 社員が10名以上いるか。 |
事業計画書・活動予算書 | 事業計画書と活動予算書は、二カ年度分を作成しているか。 |
その他の事業を含め、定款第5条で定めた事業について、二カ年度のうちに実施するようになっているか。 | |
特定非営利活動事業の事業費合計 > その他の事業の事業費合計 となっているか。 | |
事業費計 ≧ 管理費計 となっているか。 | |
その他の事業が2カ年度とも赤字ではないか。 | |
その他の事業の利益を特定非営利活動事業会計に全額繰り入れているか。 |
一言で、社会貢献活動といっても様々なものがあり、求められるものは無限にあるといえますが、いずれにしても、人を助けるためには少なくとも自分のことは自分でできるだけの経済的・心理的余裕がなければ人を助けることはできないと一般的にはいわれています。しかし、現実的にはそれほど余裕がないにもかかわらずそのような活動に積極的に参加する方も大勢存在し大きな力となっていることは間違いありません。とてもありがたいことです。私も微力ながら少しでも社会の役に立つ活動に参加できるように、日頃から自己の研鑽に努めてまいりたいと思います。