
(国籍の選択)国籍法第14条 ①外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することになった時が十八歳に達する以前であるときは二十歳に達するまでに、その時が十八歳に達した後であるときはその時からから二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。②日本の国籍の選択は、外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法の定めるところにより、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言(以下「選択の宣言」という。)をすることによってする。
(出生による国籍の取得)国籍法第2条 子は、次の場合には、日本国民とする。一、出生の時に父又は母が日本国民であるとき。二、出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であったとき。三、日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき。
上記は、国籍法の第2条と第14条を掲載していますが、このふたつの条文間において「外国の国籍を有する日本国民」という条文を文字通り解釈すれば、外国の国籍を有するという人格と、日本国民という人格、これは二重国籍となっていることを想定した条文構成となっているとも捉えることができます。
つまり、国籍法第1条において、子は、出生の時に父又は母が日本国民であるときや出生前に死亡した父が死亡時に日本国民であったとき、さらに、その子が日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないときは、必然的に日本国民となると規定しています。
このことは、例えば、外国人の母と日本人の父の間に生まれた子が国内外で出生した場合や、同様にその日本人の父が亡くなってから外国において外国人の母の子として出生した場合、その子は、当該外国の法制に基づきその外国の国籍を取得することも可能かもしれませんし、日本人の父側からみると既に日本国民たる資格を取得していることにもなります、所謂二重国籍の状態となることが想定されています。この例の他、日本人の配偶者と在日外国人の間に生まれた子も同様の状況に置かれることになります。従って、国籍法14条の規定により、一定の期間内に国籍の選択を求められるということが規定されています。十八歳を基準に自己の判断により国籍を選択する場面がでてくることになるのです。この判断は、その方の考え方にもよりますが、とてもナーバスな局面となることも考えられます。父方、母方、どちらの国籍を選択するという極めて重大な意思決定を求められるともいえるのです。考え方によっては、双方の国から愛されるかけがえのない子であることにはかわりなく、二重の祝福を贈られるという前向きな考え方もありますが、当人にとってはそうもいかないかもしれません。
世の中には、様々な立場の方も大勢いらっしゃることと思いますが、私から見て二つの国から祝福されるのは大変うらやましく感じます。このような国籍選択という重大な選択を迫られていたとしても、法制度上の問題と割り切りあまり深刻に考えずより前向きに考えて、より幸せを感じるようになっていただけたら嬉しく思います。女子テニスプレーヤーの大阪氏や大リーガーのラーズ・ヌートバー選手もそのような国籍選択という決断を体験されたのでしょうか。とはいっても、当人にとってはそう単純に論ずべきではないというお気持ちも十分に感じることもでき大変申し訳なく思います。