下記のグラフは、小規模事業持続化補助金の第1回から第16回(最終16回は2024年8月8日に公表)までの採択率の推移を表しています。不正受給の増加に関する問題が社会問題化しましたが、それとの因果関係を含め採択率の急速な低下の理由は定かではありません。ただ、補助金の目的に合致し、交付することが適切であり、真に交付することを必要としている事業者の方に対しては厳しい競争を経て適正に交付されることが望まれます。また、そのような事業者の方を行政書士事務所としても最大限バックアップして参りたいと考えています。なお、16回目のこの補助金に対する申請件数は7371件となっており、それに対する採択件数は2741件ということで採択率37.18%という結果になった訳ですが、採択された2741件の中身は、商工会議所地区 1988件、商工会地区753件に分かれることにも若干の留意が必要です。つまり、受付窓口が違うことがわかります。公募要領の「重要」の中に※商工会の管轄地域で事業を営んでいる小規模事業者については、別途「全国商工会連合会」が公表する公募要領をご覧うえ、自身の所在する「都道府県商工会連合会地方事務局」窓口へ申請下さい。・・・・・との記載があります。
次に、「小規模事業持続化補助金」はいつ要領が公表されて、いつから受付がはじまり、いつ受付終了となり、どのタイミングで支払えばいいか、いつ入金になか、受け取り後の報告はどうすればいい?というのが一番の知りたいところです。これらの点につき、商工会議所や補助金事務局へ問い合わせが多く対応に苦慮しておられるといいますが、小規模事業持続化補助金に限らず補助金の政策を決めるのは、政府や国会、事務は担当官庁等であるため、公表決定までは事務局等は答える権限も義務もない点には理解が必要です。逆に公表前に情報漏れというのもフェアではありません。補助金全般にいえることですが、補助金の受付は知らない間に始まり、気が付いたら終わっているというのがよくあることで、基本的には、要領が公表されてはじめて具体的な内容を知るということになります。政府や国会のスケジュールにも左右される場合もあるでしょうし、その時の経済状況や緊急対策などの例外的な要素もあるかもしれません。これらを下記の表でご確認いただければよくわからない性質であることがある意味わかっていただけると思います。その時その時で、要領公表、受付開始、終了のタイミングが違っており、法則性がないということになります。例えば要領の公表から締切日まで3か月~半年と余裕がある場合もあれば、公表から締切日まで20日足らずの場合もあるということになります。
15回目の要領公表は2024年1月16日にあり、実質的な締切は3月7日の商工会議所等へ事業支援計画書発行の締切日と考えるのが妥当ですが、申請は3月14日に終了することになっておりました。これを前提とすると、臨時国会後のちかいうちに17回目以降の要領公表があるかどうかというのが気がかりな点です。仮に、そうそうに要領公表があった場合対応できるかという視点を持っておくこともポイントになるのではないかと思います。但し、要項の内容が変わる場合もあり得ますし、なによりも、補助金事業の目的に沿った内容の計画を持っているかどうかというのが一番重要です。
そのことを前提に、ここでは、最新の第16回の「小規模事業持続化補助金(一般型)」【当時の過去の要領はこちらからご確認ください】を振り返り、小規模事業者持続化補助金事務局のホームページから引用して特に注意すべき点をピックアップしました。仮に17回の要領が公表されたとしても、これらの前提条件をそのまま生かすことができるという保証があるわけではない点をご了解の上でご一読ください。あくまでも、現時点においては参考資料としての位置づけに過ぎません。
【第16回 小規模事業持続化補助金】
| 事業概要 |
小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更等に対応するために取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とします。本補助金事業は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、販路開拓等の取組や、その取組と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組を支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。
〇補助上限:[通常枠] 50万円
[賃金引上げ枠・卒業枠・後継者支援枠・創業枠] 200万円
※インボイス特例対象事業者は、上記金額に 50 万円の上乗せ(詳細は P.13 をご参照ください)。
〇補 助 率:2/3(賃金引上げ枠のうち赤字事業者は3/4)
〇対象経費:機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、新商品開発費、資料購入費、借料、設備処分費、委託・外注
| 申請方法 |
〇申請は、電子申請システムでのみ受け付けます。入力は、申請者自身が、申請システム操作手引き等に従い行ってください。入力情報については、必ず申請者自身がその内容を理解、確認してください。代理申請は不正アクセスとなるため、一切認められず、当該申請は不採択となる上、以後の公募において申請を受け付けないことがあります。なお、郵送での申請は一切受け付けません。
〇申請には「GビズIDプライム」もしくは「GビズIDメンバー」のアカウント取得が必要です。未取得の方は必ず事前に利用登録を行ってください。アカウント及びパスワードを外部支援者等の第三者に開示することは、GビズIDの利用規約第10条に反する行為であり、トラブルの原因となり得ますので、ご注意ください。
詳細は「6.申請手続」をご確認ください。
〇事業支援計画書(様式4)を発行するにあたり、基本情報入力画面に記載の代表者に計画(様式2,3)等の内容について、直接確認させていただく場合がございます。
| 注意事項 |
○本補助金は、審査があり、不採択になる場合があります。また、補助事業遂行の際には自己負担が必要となり、補助金は後払いです。
〇補助金は経理上、補助金の額の確定を受けた事業年度における収益として計上するものでり、法人税・所得税の課税対象です。
○政府(中小企業庁)によれば、一部の認定経営革新等支援機関や補助金申請のコンサルティングを行う事業者が、補助金への応募を代行すると称し、作業等にかかる費用等と乖離した成功報酬等の費用を小規模事業者等に請求する事例が行政当局に報告されているとのことです。本補助金は、小規模事業者等が自ら自社の経営を見つめ直し、経営計画を作成した上で行う販路開拓の取組を支援するものです。外部のアド
バイスを受けること自体は問題ありませんが、上記趣旨に沿わない申請は不採択となります。なお、成功報酬等と称される費用、申請書作成セミナーと称される費用や補助金申請等にかかる経費に関しては補助対象外です。また、アドバイスを受けるにあたり「高額なアドバイス料金」を請求される事案も発生しております
ので、ご注意ください。
○第三者(商工会・商工会議所を除く)の支援を受ける(アドバイス料金の支払いの有無にわらず)場合、その相手方と金額を確認事項入力(様式2)に記載していただきます。アドバイスを受けているにも関わらず記載がない場合には、虚偽の報告として不採択となります。また、不当なアドバイス料の請求を防止する観点
から、アドバイスの実施者に対して、ヒアリングや現地調査を行う場合がございます。
小規模事業者持続化補助金事務局のホームページより引用
当事務所においては、採択の可能性があるご計画をお持ちの場合には、商工会議所や商工会へ提出(本人、会社の従業員に限り提出可能で、行政書士等が代理提出することは出来ません。)して確認を受ける必要がある「事業計画書」などの作成のご支援の他、電子申請に必要なGbiz ID取得のための助言(事業所などへ出向き操作方法のご説明をしながら本人申請すること等が前提)など、総合的なご支援ができるよう日々研鑽しております。この機会にわからない点などございましたら、お問い合わせなどからご連絡下さい。現在、平日の電話対応はできない場合が多いですが、それ以外の場合はできる範囲で対応させていただきたいと存じます。