国や地方公共団体などへ行う届出や申請につきましては、従来迄は印鑑や必要書類、身分証明などを役所へ持参し、書類を書いて押印して窓口へ提出し、時には長時間待たされる場合もあり、遠方だと一日それだけに費やしてしまうこともあるなど、とても気が重い思いをされた方や、病気やけがなどで役所へ行くにしても大変な手間と負担が伴うこともありました。しかし、これらの非効率的な状況を打開するため、国や民間をあげてデジタル化を推進してきた結果、さまざまなオンライン申請などのシステムが導入され大変便利なツールが数多く用意され、オンラインで申請する方が増えてきました。
一方で、それらのシステムが数多く存在することや、所轄機関が分かれていることによる打ち出し方の違いからくる分かりにくさ、言い回しが似ているもの、結果は同じでもスタートが違うもの、多発的にあちらこちらでシステム開発が進められていった結果、開発進捗により日々システム間の見直しが進められていく中で、運用の見直し・変更などが伴いより複雑に見えてしまうなど、オンライン申請の全体像がつかめないといった声が多いのも確かです。そこで、これらの分かりにくさを少し整理し、体系化してまとめることで分かりにくさを軽減する試みをしてみました。あくまでも現時点のものであるほか、統合や変更、廃止などが行われる場合もあり私見でまとめたものにすぎませんので予めご了承ください。
体系的に整理するにあたっては、まず、GビスIDと e-Govアカウントの関連性、マイクロソフトアカウント・グーグルアカウントなどの他認証サービスのアカウントがそれぞれオンライン申請とどのようにかかわるかなどをそれぞれのオンライン申請システムの概要から学ぶ必要があります。つまり、本人確認過程の厳格さの程度による申請の違いを理解する必要があります。次に、オンライン申請が企業・事業主を前提にしたものか、個人を対象にしたものかにより、分けて考えていく必要があります。
GビズIDとは?
GビズIDは、法人・個人事業主向け共通認証システムです。
簡単にいえば、これからオンライン申請する方は、このIDとパスワードを取得しておくと楽ですよ。という意味であって、これ自体がオンライン申請するというイメージではなく、今後様々なオンライン申請をしていくことを前提に、オンライン申請をしやすくするために、まず最初にオンライン申請して自分が自分であることを対外的に主張していく資格を得る作業、つまり、オンライン申請のための準備のためのオンライン申請ということになります。
GビズIDを取得すると、一つのID・パスワードで、複数の行政サービス にログインできます。
アカウントは 最初に1つ 取得するだけで、 有効期限、年度更新の必要はありません 。(令和3年8月現在)
GビズIDには、 GビズIDプライム、GビズIDメンバー、GビズIDエントリーという3種類のアカウントがあります。サービスにより必要なアカウントが異なります。
GビズIDは、次に述べるe-Govアカウントも利用できる旨の表記がありますが、e-GovアカウントとGビスIDどちらが主体なのか?という疑問も生じるのではないでしょうか。どちらも主体と主張しているように見えますので、将来システムがどのように進化していくかは分かりませんが、今のところ、どちらともいえないということにして割り切った方が混乱しないというところでしょうか。
GビズIDで利用できる省庁・自治体のサービス一覧は、最後に記載していますのでご参照ください。
℮-Gov ポータル
℮-Gov ポータル トップ | e-Gov (厚生労働省・国土交通省・経済産業省・総務省)
このサイト(e-Gov ポータル)は、行政機関が発信する政策・施策に関する情報、行政サービス、各種オンラインサービスなどに関する情報を対象に、情報ナビゲーションに資することを目的としてデジタル庁が整備、運営するWebサイトです。
という説明がなされています。
このサイトの理解しにくい点は、情報ナビゲーションに資することが目的。とする一方で、下記の案内にあるようにまた別のアカウントを作るの?と疑問を抱いてしまい、このサイトの目的はナビゲーションなのか、申請のための準備なのか、GビスIDを取得している方にとっては、また、e-Govアカウントというものが登場しますので、余計疑問を抱いてしまいます。また、マイクソロソフトやグーグルのIDでもログインできるようになっており、便利なようで、理解しずらい印象をうけます。これら全てのアカウントを所持している方からみれば、どのアカウントでログインすべきか、その後何か違いが生じるのかなども迷うところです。
「e-Gov電子申請を利用する際のアカウントを準備します。e-Govアカウントの登録をするか、GビズID、または他認証サービスのアカウントが利用できます。」
そのような関連性に迷っていましたが、告知している下記の案内を一読すると、ようやく、GビスIDとの関係性が理解できるようになります。
2024年12月04日
GビズIDメンバーアカウントで利用可能なサービス設定のお願い
GビズIDでは、GビズIDプライムがGビズIDメンバーを作成可能なことに加えて、
GビズIDメンバーが利用可能なサービスを選択・設定することができる機能が用意されています。
これまでのe-Govでは、GビズIDメンバーが利用可能なサービスの設定内容を問わず、
e-Govの各サービスにログインできる状態になっておりましたが、
12月6日以降は、GビズIDプライムが行うGビズIDメンバーが利用可能なサービスの設定内容に
したがって、e-Govの各サービスへのログインを許可するかどうか制御できるように変更します。
そのため、現時点でGビズIDメンバーが利用可能なサービス一覧に、e-Govが含まれていない場合は、
事前にGビズIDメンバーが利用可能なサービスとして、e-Govを設定することが必要となります。℮-Gov ポータル ホームページより引用
操作方法については、以下「GビズIDクイックマニュアルGビズIDメンバー編」(スライド番号
9及び10「3.GビズIDメンバーの利用できるサービスを選択する」)をご参照下さい。
まとめますと、このサイトは情報ナビゲーションとしての役割を果たしますが、e-Govアカウントの登録をするか、GビズID、または他認証サービスのアカウントでログインすることにより、8省庁への申請・届出、手続きの検索、処理状況、メッセージ通知、公文書のダウンロードなどができる機能があります。ということになります。
いわば、企業版のマイナポータル的な要素を持ち合わせたサイトともいえるのではないでしょうか。
だから、ポータルって名称がついているということにもつながるのでしょうか。
出入国在留管理庁オンライン申請 (出入国在留管理庁)
出入国在留管理庁のホームページより引用
総務省 電波利用 電子申請・届出システム Lite
本サイトから利用できる「総務省 電波利用 電子申請・届出システム Lite」は、アマチュア局の電波利用に関する申請・届出を対象に、電子証明書を使わず、ユーザID・パスワードを使って簡単に申請・届出を行うことができるシステムです。
登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと供託ねっと
このホームページでは、「登記・供託オンライン申請システム」を利用して、インターネットによる登記や供託等の申請・証明書の交付の請求を行うことができます。 また、オンラインシステムの利用手順や登記手続、供託手続についての情報提供も行っています。
各種サービス
- かんたん証明書請求 オンラインで登記事項証明書等の請求ができます。
- 供託かんたん申請 オンラインで金銭又は振替国債の供託の申請ができます。
- かんたん登記申請 オンラインで一部の登記申請や印鑑証明書の請求ができます。
- 商号調査 既に登記されている他の会社・法人の有無の確認ができます。
- 申請用総合ソフト 本システムで取り扱う全ての手続の申請・請求を行えるソフトウェアで
マイナンバーカード総合サイト(地方公共団体情報システム機構)
マイナンバーカード総合サイト(地方公共団体情報システム機構) は、主としてこれからマイナンバーカードの発行を申請する方が利用するサイトです。マイナポータルのサイトとは基本的に別物ということになります。マイナポータルのサイトは、マイナンバーカードを所持している方が利用するサイトということになります。
マイナポータル
こちらのサイトは、主として既にマイナンバーカードを所持している方向けのサイトということになります。これからマイナンバーカードの発行を申請する方は、マイナンバーカード総合サイト(地方公共団体情報システム機構) https://www.kojinbango-card.go.jpを利用することになります。
マイナポータルは、行政手続のオンライン窓口です。
ご自身の所得・地方税、行政機関からのお知らせなど、必要な情報をいつでも確認できます。また、お住まいの地域のサービスや手続をお手元のパソコンやスマートフォンで簡単に検索でき、手続によってはそのまま申請できます。
ふるなび ワンストップ特例オンライン申請
自治体から届いた書類を郵送して手続きを行っていたワンストップ特例申請の代わりに、スマートフォンからオンラインで申請できるサービスです。
「ふるなびワンストップ e申請」「ふるまど」「自治体マイページ」いずれかのサービスを導入している自治体でご利用いただけます。「ふるまど」「自治体マイページ」はふるなびの提供サービスではありません。