公共工事を受注するには?経営事項審査とは 

 建設業許可を受けた業者の方が、公共工事を受注したい場合は、経営事項審査(経審とよぶことがある)を受け結果通知書を得た上で「公共工事入札参加資格登録申請」をする必要があります。(建設業法第27条の23参照)(公共工事の流れ参照)

経営事項審査は、①国土交通大臣の登録を受けた登録経営状況分析機関が行う経営状況分析と、②国土交通大臣又は都道府県知事が行う経営規模等評価に基づく総合評定値を算出する審査のことをいい、総合評定値とは、経営状況分析の結果に係る数値及び経営規模等評価の結果に係る数値を用いて算出した客観的事項の全体についての総合的な評定の結果に係る数値をいいます。(P=0.25Ⅹ₁+0.15X₂+0.2Y+0.25Z+0.15W)(後記、根拠数値参照)

また、この経審の有効期限決算日から1年7か月とされ、決算変更届と同様に原則として毎年受ける必要があります。

建設業法

(経営事項審査)第27条の23

  1. 公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならない。
  2. 前項の審査(以下「経営事項審査」という。)は、次に掲げる事項について、数値による評価をすることにより行うものとする。一 経営状況二 経営規模、技術的能力その他の前号に掲げる事項以外の客観的事項
  3. 前項に定めるもののほか、経営事項審査の項目及び基準は、中央建設業審議会の意見を聴いて国土交通大臣が定める。
建設業法 第27条の23 抜粋

公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものとは、国、地方公共団体、法人税法別表第一に掲げる公共法人(地方公共団体を除く。)又はこれらの準ずるものとして国土交通省令で定める法人が発注者であり、かつ、工事1件の請負代金の額が500万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあっては、1500万円以上のものであって、次に掲げる工事以外のものとする。

①堤防の欠壊、道路の埋没、電気設備の故障その他施設又は工作物の破壊、埋没等でこれを放置するときは、著しい被害を生ずるおそれのあるものによって必要を生じた応急の建設工事
② ①のほか、経営事項審査を受けていない建設業者が発注者から直接請け負うことについて緊急の必要その他やむを得ない事情があるものとして国土交通大臣が指定する建設工事

公共工事の流れ

●建設業許可取得
    ☟
●決算変更届の提出
    ☟
経営状況分析  
法第27条の24
①経営状況
登録経営状況分析機関が行う
    ☟経営状況分析の結果の通知
(法27条の5)(施行規則19条の5)
経営事項審査を受ける        
                                    
②経営規模、技術的能力その他の①に掲げる以外の客観的事項 

国土交通大臣又は都道府県知事
が行う
 
    ☟                                   経営規模等評価の結果の通知
(法27条の27)(施行規則19条の9)
総合評定値の通知(法27条の29)
(別記 計算式参照)
●入札参加資格登録申請をする                        (一般競争入札案件の公告調査)
    ☟      ☟
●入札参加資格の登録完了                       一般競争入札参加の意思表示
    ☟
●発注機関から入札参加案内 
(指名競争入札の場合)
    ☟       ☟ 
       入札参加     入札参加
       落札     落札
       契約     契約
   竣工体制台帳の作成
   (コリンズ登録等)
   竣工体制台帳の作成
   (コリンズ登録等)
       竣工     竣工
       引き渡し     引き渡し

総合評定値の算出(施行規則第21条の3)

P=0.25Ⅹ₁+0.15X₂+0.2Y+0.25Z+0.15W

P総合評定値
X₁経営規模等評価の結果に係る数値のうち、完成工事高に係るもの
X₂経営規模等評価の結果に係る数値のうち、自己資本額及び利益額に係るもの
Y経営状況分析の結果に係る数値
Z経営規模等評価の結果に係る数値のうち、技術職員数及び元請完成工事高に係るもの
W経営規模等評価の結果に係る数値のうち、X₁、X₂、Y及びZ以外に係るもの

建設業法

(経営状況分析)第27条の24

  1. 前条第2項第一号に掲げる事項の分析(以下「経営状況分析」という。)については、第27条の31及び第27条の32において準用する第26条の5の規定により国土交通大臣の登録を受けた者(以下「登録経営状況分析機関」という。)が行うものとする。
  2. 経営状況分析の申請は、国土交通省令で定める事項を記載した申請書を登録経営状況分析機関に提出してしなければならない。
  3. 前項の申請書には、経営状況分析に必要な事実を証する書類として国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。
  4. 登録経営状況分析機関は、経営状況分析のため必要があると認めるときは、経営状況分析の申請をした建設業者に報告又は資料の提出を求めることができる。
建設業法 第27条の24 抜粋

建設業法

(経営規模等評価)第27条の26

 第27条の23第2項第2号に掲げる事項の評価(以下「経営規模等評価」という。)については、国土交通大臣又は都道府県知事が行うものとする。

 経営規模等評価の申請は、国土交通省令で定める事項を記載した申請書を建設業の許可をした国土交通大臣又は都道府県知事に提出してしなければならない。

 前項の申請書には、経営規模等評価に必要な事実を証する書類として国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。

 国土交通大臣又は都道府県知事は、経営規模等評価のため必要があると認めるときは、経営規模等評価の申請をした建設業者に報告又は資料の提出を求めることができる。

建設業法 第27条の26 抜粋

行政書士中川まさあき事務所