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在留外国人と働き手不足の現実|2024年入管法改正が中小企業経営に与える影響

在留外国人と働き手不足の現実|2024年入管法改正が中小企業経営に与える影響

 

共生社会の実現

在留外国人と働き手不足の現実|2024年入管法改正が中小企業経営に与える影響

出入国在留管理庁が公表する「外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」によれば、 令和5年(2023年)の在留外国人数は 341万0992 人に達し、そのうち外国人労働者は 204万8675 人となっています。 永住者は 89万1569 人 に上り、国籍別では、中国・ベトナム・韓国・フィリピン・ブラジル等が上位を占めています。

平成20年(2008年)の在留外国人数は 221万7426 人でしたから、 15年で約120万人増(約1.54倍)と大幅に増加しています。 外国人労働者だけを見ると、この間に 48万人 → 204万人 と、 4.2倍 にまで拡大しています(2021年のコロナ影響年を除く)。 今後も増加傾向が続くと見込まれています。

■ 私たちの生活の中で急速に進む「外国人の定着」

街を歩けば、多くの外国人の方々が日常生活を送っている様子が見て取れます。 インバウンド需要の増加や円安などの要因もあり、観光地には外国人観光客が溢れ、 地域社会における外国人比率は年々高まっています。

一方で国内の状況を見れば、

  • 運転手不足によるバス路線の大幅減便
  • 飲食・宿泊・介護・建設など幅広い業種での慢性的な人手不足
  • “2024年問題” による物流・運輸業界の更なる逼迫

こうした背景から、外国人材への依存度は今後も高まっていくと考えられます。

■ 急速に変化する政治・経済環境

経済に目を向ければ、日銀の金融政策やアメリカFRBの方針転換など、 市場が大きく揺れ動く場面が続いています。 政治・経済・社会のあらゆる側面で劇的な変化が起きており、 企業はこれらの動向に敏感に対応していく必要があります。

■ 2024年の入管法改正が成立|技能実習制度の大転換

深刻な働き手不足に対応するため、令和6年(2024年)6月14日、第213回通常国会において 「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律(令和6年法律第59号)」「入管法および技能実習法の一部を改正する法律(令和6年法律第60号)」 が成立し、6月21日に公布されました。

● 改正法のポイント(出入国在留管理庁の公表より)

新制度の概要は次のとおりです:

  • 技能実習制度を見直し、「育成就労制度」として再構築
  • 育成就労計画の認定制度を創設
  • 管理支援を行う者の許可制度を新設
  • 「外国人育成就労機構」を設立し、関連業務を担当
  • 1号特定技能外国人の支援委託に対する制限
  • 永住許可要件の明確化

施行は公布日から原則3年以内で、準備行為に関する規定は公布と同時に施行されています。

■ 改正のポイントを経営者の視点で整理すると

今回の改正で特に押さえておきたい点は次の2つです:

  1. 技能実習制度が「育成就労制度」へ置き換えられること
    → 人材育成と人材確保を両立する新制度へ転換
  2. 一部在留資格(特に永住要件等)で規制が強化されたこと
    → 運用が厳格化し、企業にも新たな対応が求められる

なお、弁護士会などからは懸念点の指摘もあり、今後の運用の方向性を注視する必要があります。

■ 外国人材との共生は「日本社会の未来」に直結するテーマ

日本は急速な少子高齢化の進行により、 「外国人材との共存共栄なくして未来は描けない」とまで言われる状況にあります。 これは、特に地方の中小企業において深刻なテーマで、 外国人材の確保と適切な育成は経営戦略そのものになりつつあります。

今後、中小企業が外国人材と共に歩むためには、

  • 入管手続きの専門家
  • 許認可業務の専門家
  • 会社法の専門家
  • 税務・財務の専門家

といった各分野の専門家が連携しながら、丁寧に支援していく体制が欠かせません。


※本記事は、2025年時点の公表情報および一般的な実務に基づいて作成しています。制度改正は今後も続く可能性がありますので、最新の情報をご確認ください。

行政書士中川まさあき事務所

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