風俗営業及び性風俗関連特殊営業等を規制する法律として、「風営法」があります。第一条において、その目的を以下のように定めています。
風営法
(目的)
第1条 この法律は、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため、風俗営業及び性風俗関連特殊営業等について、営業時間、営業区域等を制限し、及び年少者をこれらの営業所に立ち入らせること等を規制するとともに、風俗営業の健全化に資するため、その業務の適正化を促進する等の措置を講ずることを目的とする。
つまり、風俗営業及び性風俗関連特殊営業等に関わる者は、この目的の趣旨に反してはならず、この法律を遵守することが求められます。また、この法令に反しない限りにおいては、他の業種と同様に権利を行使でき、また、同様に義務を負うことになります。ただ、他の業種と比べて、社会通念上、公益に与える影響がマイナスのイメージが多く、この業種に関わる方々の多くが、どちらかと言えば、声をあげにくい環境に置かれているというのもある意味仕方のないことかもしれませんが、現実問題としてはあります。今でこそコロナの問題は落ち着きをみせているものの、コロナ禍真っ只中においては、コロナ関連の緊急助成金・補助金等の支給に関して、当初、風営関連業種に対して、他の業種に比べ冷遇する対応がとられたことが問題となったことがありました。これは、風営関連業種に対しても、他の業種と同様に例えば納税義務等を課す一方で、補助金や助成金の支給を求める権利については冷遇するという、平等原則に反するというものでした。これに対し、一部の風俗営業を生業とする女性の方々が声をあげたことがその後の気づきにつながり、様々な角度から可能な限り改善を試みる取組がなされました。この考え方の根本には、下記、「憲法14条の法の下の平等」があります。この根本規定が、まさしく盾になって当該関連業種を生業とする方々を守ったといえるのではないでしょうか。
憲法 第十四条
- すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。 (2項 以下省略)
私にとって、この条文はとても大事にしている条文のひとつでもあり、また、日頃から自分にもよくよく言い聞かせ、いつでもわすれないようにしています。仏教の教えの中にも同じような考え方を説くものもあります。
これらの問題とは無関係とまでは言えない興味深い判例があります。ご興味のある方は一読してみて下さい。