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【相続の「子」視点】実子・非嫡出子・養子・連れ子の相続関係を福井の行政書士が解説

【相続の「子」視点】実子・非嫡出子・養子・連れ子の相続関係を福井の行政書士が解説

【相続の「子」視点】実子・非嫡出子・養子・連れ子の相続関係を福井の行政書士が解説

相続では「誰が子にあたるのか」の整理が重要です

相続の相談では、「子どもは全員同じ相続分なのか」「養子の子は代襲相続できるのか」「連れ子は相続人になるのか」といったご質問を多くいただきます。

特に、再婚、養子縁組、前婚の子、非嫡出子、連れ子が関係する相続では、相続人の範囲を誤って理解しているケースが少なくありません。

相続人を判断するときの基本は、被相続人、つまり亡くなった方から見てどのような関係にあるかです。

この記事では、民法の条文と公的情報に基づき、実子・非嫡出子・養子・連れ子の相続関係を、福井の行政書士の実務目線でわかりやすく整理します。

まず整理したい「子」に関する6つのパターン

相続で混乱しやすい「子」の関係には、主に次の6パターンがあります。

  • 1. 被相続人の実子
  • 2. 離婚した元配偶者との間の子
  • 3. 婚姻関係にない相手との間の子(非嫡出子)
  • 4. 被相続人の養子の配偶者の連れ子
  • 5. 被相続人の養子が、養子縁組後にもうけた子
  • 6. 被相続人の養子が、養子縁組前にもうけた子

この6つは似ているようで、相続人になるかどうか、代襲相続できるかどうかが異なります。

1. 実子は当然に相続人になります

被相続人の実子は、第一順位の相続人です。

配偶者がいる場合、配偶者と子が共同相続人になります。

子が複数いる場合、子同士の相続分は原則として平等です。

たとえば、配偶者と子2人が相続人の場合、法定相続分は次のようになります。

  • 配偶者:2分の1
  • 子1人目:4分の1
  • 子2人目:4分の1

民法900条では、配偶者と子が相続人である場合、配偶者の相続分は2分の1、子の相続分は2分の1とされています。e-Gov法令検索・民法

2. 離婚した元配偶者との子も相続人です

よくある誤解が、「離婚した相手との子は相続人ではない」というものです。

これは誤りです。

離婚により元配偶者は相続人ではなくなりますが、親子関係は消えません。

したがって、前妻・前夫との間の子も、被相続人の実子として相続人になります。

再婚後の配偶者や子がいる場合でも、前婚の子の相続権は消えません。

再婚家庭では、相続開始後に前婚の子の存在が判明し、遺産分割協議が止まるケースもあります。

そのため、再婚家庭では遺言書の作成が非常に重要です。

3. 非嫡出子の相続分は嫡出子と同等です

婚姻関係にない男女の間に生まれた子を、一般に非嫡出子といいます。

かつては、非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1とされていました。

しかし、平成25年の民法改正により、嫡出子と非嫡出子の相続分は同等になりました。法務省も、平成25年12月の改正により、嫡出でない子の相続分が嫡出子の相続分と同等になったと案内しています。法務省

つまり、現在は、

  • 婚姻中に生まれた子
  • 婚姻外で生まれ、認知された子

の相続分に差はありません。

ただし、父子関係については認知の有無が重要になります。

父親が認知していない場合、法律上の親子関係が確認できず、相続人として扱えないことがあります。

4. 連れ子は当然には相続人になりません

再婚相手の連れ子は、被相続人と同居していたとしても、当然には相続人になりません。

相続人になるためには、被相続人と連れ子との間に法的な親子関係が必要です。

具体的には、被相続人自身が連れ子と養子縁組をしている必要があります。

単に、

  • 一緒に暮らしていた
  • 生活費を出していた
  • 親子同然だった
  • 被相続人の子の配偶者の連れ子だった

というだけでは、相続人にはなりません。

民法727条では、養子は縁組の日から養親の嫡出子の身分を取得するとされています。e-Gov法令検索・民法

つまり、相続関係を作るには、被相続人本人との養子縁組が必要です。

5. 養子は実子と同じ相続権を持ちます

養子縁組が成立すると、養子は養親の嫡出子として扱われます。

そのため、被相続人の養子は、実子と同じく相続人になります。

たとえば、被相続人に実子1人と養子1人がいる場合、子同士の相続分は原則として平等です。

ただし、相続税の計算上は注意が必要です。

国税庁は、相続税計算において法定相続人の数に含める養子の数について、実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までと説明しています。これは相続権そのものではなく、相続税計算上の人数制限です。国税庁

つまり、民法上の相続人になるかどうかと、相続税法上の人数カウントは別問題です。

6. 養子の子はいつ代襲相続できるのか

実務で特に混乱しやすいのが、養子の子が代襲相続できるかどうかです。

結論からいうと、ポイントはその子が養子縁組の前に生まれていたか、後に生まれたかです。

養子縁組後に生まれた子

被相続人の養子が、養子縁組後に子をもうけた場合、その子は被相続人から見て法定血族としての孫にあたります。

そのため、一定の条件を満たせば代襲相続が可能です。

養子縁組前に生まれていた子

一方、養子縁組前にすでに生まれていた養子の子は、被相続人との間に直系卑属関係が生じません。

そのため、原則として代襲相続はできません。

この違いは非常に重要です。

同じ「養子の子」であっても、生年月日と養子縁組日によって結論が変わるため、戸籍の確認が不可欠です。

代襲相続とは何か

代襲相続とは、本来相続人になるはずだった人が、相続開始前に死亡している場合などに、その子が代わりに相続する制度です。

民法887条2項では、被相続人の子が相続開始前に死亡した場合、相続欠格や廃除により相続権を失った場合、その子が代襲して相続人になると定めています。e-Gov法令検索・民法

直系卑属の場合

子が亡くなっていれば孫、孫も亡くなっていればひ孫へと、再代襲が認められます。

兄弟姉妹の場合

兄弟姉妹が相続人になるケースでは、その子である甥・姪までは代襲相続できます。

ただし、甥・姪の子への再代襲は原則として認められません。

「非嫡出子」と「半血兄弟姉妹」の相続分を混同しない

相続分で特に誤解されやすいのが、次の2つです。

非嫡出子は同等

現在、非嫡出子と嫡出子の相続分は同等です。

半血兄弟姉妹は2分の1

一方、兄弟姉妹が相続人になる場合、父母の一方だけを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の2分の1です。

民法900条4号では、兄弟姉妹が数人いる場合、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とされています。e-Gov法令検索・民法

つまり、

  • 実子と非嫡出子:相続分は同等
  • 全血兄弟姉妹と半血兄弟姉妹:半血は2分の1

です。

「子の相続」と「兄弟姉妹の相続」を混同しないことが大切です。

相続で重要な期限一覧

相続では、相続人の範囲だけでなく、期限管理も重要です。

手続き・権利主な期限注意点
相続放棄・限定承認相続開始を知った時から原則3か月以内民法915条
死後認知の訴え父母の死亡から3年以内民法787条
相続税申告・納付相続開始を知った日の翌日から10か月以内税理士確認推奨
相続回復請求権侵害を知って5年、相続開始から20年民法884条
特別受益・寄与分の主張原則として相続開始から10年以内早期整理が重要

民法915条では、相続人は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、単純承認・限定承認・相続放棄をしなければならないとされています。e-Gov法令検索・民法

よくある質問

Q1. 兄弟姉妹に遺留分はありますか?

ありません。

民法1042条では、遺留分は兄弟姉妹以外の相続人に認められています。したがって、兄弟姉妹には遺留分がありません。e-Gov法令検索・民法

兄弟姉妹に財産を渡したくない場合は、遺言書で別の人に財産を承継させる内容を定めることが有効です。

Q2. 欠格や廃除があると、その子も相続できませんか?

欠格や廃除により本人は相続権を失いますが、その子には代襲相続が認められる場合があります。

「本人を相続人から外せば、その家系全体に相続させない」という結果になるとは限りません。

Q3. 連れ子に財産を残したい場合はどうすればよいですか?

主な方法は、養子縁組、遺言による遺贈、生命保険の受取人指定などです。

ただし、他の相続人の遺留分や税務上の影響もあるため、事前に専門家へ相談することをおすすめします。

Q4. 相続人調査は何から始めればよいですか?

まずは被相続人の出生から死亡までの戸籍を取得し、法定相続人を確定します。

再婚・養子縁組・認知・代襲相続がある場合は、戸籍の読み取りが特に重要です。

行政書士ができる相続人調査・遺言書作成支援

行政書士は、相続トラブルを防ぐ予防法務の専門家として、次のような支援が可能です。

  • 戸籍収集
  • 相続人調査
  • 相続関係説明図作成
  • 法定相続情報一覧図の作成支援
  • 財産目録作成
  • 遺言書文案作成支援
  • 公正証書遺言の準備支援
  • 遺産分割協議書作成支援

ただし、相続人間ですでに争いがある場合や、相続分・認知・遺留分などで紛争がある場合は、弁護士への相談が必要です。

まとめ|相続の「子」は戸籍と条文で正確に整理しましょう

相続における「子」の判断は、感覚だけで決めると誤りやすい分野です。

大切なポイントは次のとおりです。

  • 実子は相続人になる
  • 離婚した元配偶者との子も相続人になる
  • 非嫡出子の相続分は嫡出子と同等
  • 連れ子は養子縁組しない限り当然には相続人にならない
  • 養子は実子と同じ相続権を持つ
  • 養子の子は、養子縁組前後で代襲相続の可否が変わる
  • 兄弟姉妹には遺留分がない
  • 相続放棄は原則3か月以内

北陸でも、再婚家庭、養子縁組、前婚の子、県外在住の相続人が関係する相続相談は増加傾向にあります。

早めに相続人関係を整理し、必要に応じて遺言書を作成しておくことが、家族を守る最善の備えになります。

福井県全域対応|相続人調査・遺言書作成のご相談受付中

越前市・福井市・鯖江市など、福井県全域(WEB全国対応可)からの相続相談に対応しています。

実子・養子・非嫡出子・連れ子が関係する相続人調査、戸籍収集、相続関係説明図、遺言書作成、公正証書遺言準備まで丁寧にサポートいたします。

※税務判断は税理士、登記手続は司法書士、紛争性のある案件は弁護士と連携して対応いたします。

執筆・監修:中川正明(特定行政書士/申請取次行政書士)|福井県越前市

行政書士中川まさあき事務所のホームページ

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