よく、創業時や経営計画の際、損益収支計画と資金繰り計画を同視してしまうことがあるようです。そのポイントとなるのが、減価償却費といえるかもしれません。資金繰り計画には、原則、減価償却費という費用が支出として盛り込まれることはありませんが、損益収支計画では経費として予算計上されることになります。また、それとは逆に、従業員から預かった住民税などを銀行で納付する場合は、キャッシュは支出として出ていきますが、損益収支上の支出ではないため、損益収支計画には計上されません。消費税についても同様のことが言えます。
このように、損益計画と資金繰り計画はそもそも別のものですので、切り替えて考えていく必要があります。損益収支計画は、所謂、損益が月次・年次でどのような計画となるかを表すもので、資金繰り計画はその損益をもとにどのようなお金の流れになるかをみるものです。財務管理ソフトを使用して会計処理をすれば、自動的に、BS/PL、キャッシュフロー計算書を作ってくれますが、これは、初期設定においてきちんとした前提条件を登録しておくことで、結果として作りあげてくれるものです。
開業前や経営計画時においては、これらを自分で計画して、結果予測をする作業が必要になります。この計画がしっかりできなければ、財務会計ソフトの初期設定もままならないということになります。
この二つは違った側面をもっていますが、表裏一体ともいえるのです。
この二つの主要計画の他にも、投資計画や人員計画など他の計画も一体の計画として全体の経営計画を構成することになりますが、このさらに上位に位置づけされるのが、社長の経営理念や社是ということになります。
創業ににおいては、会社設立にはじまり、各種許認可申請、各種届出などの他、所謂、「人」・「物」・「金」の経営の三要素について、経営者は頭を悩ませることになります。税務のことは税理士先生に、会社設立登記は司法書士先生へ、労務のことは社会保険労務士の先生へ、紛争・訴訟のことは弁護士の先生へそれぞれ依頼することが必要ですが、行政書士は、各士業先生方と連携して総合プロデューサー的位置づけで、様々なプロジェクトのサポートが可能です。