入管法第1条の目的と、外国人雇用における誤解・注意点
1.出入国管理及び難民認定法・第1条の目的
出入国管理及び難民認定法(入管法)は、次の3つを目的としています。
- 本邦に入国し、または本邦から出国する全ての人の出入国の公正な管理
- 本邦に在留する全ての外国人の在留の公正な管理
- 難民認定のための手続の整備
行政書士試験の勉強でも触れる部分ですが、実務では特にこの「公正な管理」という視点が重要になります。
2.私が実務講座で気付いた「入管法における曖昧な解釈」
伊藤塾の行政書士実務講座を受講して初めて、いかに自分が入管法について曖昧な理解でいたかを痛感しました。
特に衝撃だったのが、次のような“誤った理解”が意外に多いということです。
- 「留学生なら、週28時間以内なら誰でもアルバイトできる」
- 「在留カードの裏面(資格外活動許可)を確認しなくても大丈夫」
- 「IT技術者が、数日間だけコックとして働く程度なら問題ない」
どれも実務的には非常に危険な誤解です。
在留資格の範囲外の活動を行えば、 外国人本人にも企業にも不利益が生じる可能性があり、 行政書士としても決して見過ごせません。
3.外国人を雇用する際の注意点
飛び込みで外国人を採用するケースは多くありませんが、面接して採用を検討する際には、以下が必須になります。
- 在留カードの確認(表と裏)
- 資格外活動許可の有無
- 在留資格と従事させる業務内容の整合性
- 採用後手続きについて行政書士・社労士へ事前相談
伊藤塾の志水先生の講義で、私が特に驚いたのは、
外交官関係者は、そもそも在留カードを所持していない
という点でした。
職務質問で在留カードの提示を求めるのが当然だと思っていると、外交官の方に対し「所持していない=怪しい」と誤解してしまい、不要なトラブルにつながる可能性もあります。
4.入管実務は“慎重さ”が求められる分野
入管業務は、書類の形式や文言ひとつが大きな影響を与える、非常に繊細な分野です。
行政書士試験でも学んだように、
- 原則
- 例外
- 例外の例外
といった構造が多いため、一面的な判断は危険です。
今回の講義を通じて、入管業務の持つ「慎重な姿勢の重要性」を改めて認識することができました。
専門家として、これからもより正確で丁寧な対応を心がけていきたいと思います。
